木のマンションリフォーム・リノベーション-マスタープラン一級建築士事務所(大阪/兵庫/西宮/神戸/芦屋/宝塚)

CGパースでみる設計のポイント

80センチ上がった隠れ家書斎のある家(マンションリフォーム 滋賀)


小谷です。昨年末から工事が始まっている滋賀草津Nさん邸。工事は着々と進んでますが、ここでCGイメージパースで完成イメージをみながら内容をご紹介していきたいと思います。

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Nさんとはもう結構長いお付き合いで、私たちの見学会にも足しげく通って頂いている関係上、もう私たちの設計はほんとによく分かってくれてます。なので私が喜びそうな要望をたくさん・・・(笑)

で、この物件、16階という高層階。まだ築10年でかなり新しく、階高もかなり余裕があります。天井高も、乾式二重床で上がる分を差し引いてもがんばれば2650ミリは取れるくらい、高い。ただスプリンクラー設備などがあるので、ある程度のスペースが必要にはなる・・・

Nさんの要望の中で大きかったのは『遊びのある空間』。うん、いい響きです・・・まず床がかなり上がった空間(下部は収納)が欲しい、家の中に階段がある感じが楽しい、という点。

あとは結構凸凹出ている梁を消してほしい、というもの。あとは風通しと採光、使い勝手の向上、本や自転車の収納場所の確保、というところ。こういったご要望をお聞きしつつご提案していきました。

 

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ということで早速パースでご紹介。まずはリビングダイニング。元々はリビングに面して和室があり、ここが子供室という形になっていました。このスペースは完全に一つの空間としてしまい、天井は勾配天井として梁型を消しました。

この空間に床を80センチ上げた書斎スペースを設置、パソコンやお子さんの勉強スペース、読書スペースとしています。黒い壁はシナベニアに黒板塗料を塗って仕上げる予定。上半分は壁ですが、下は開き戸になっていて、床下収納への入り口になっています。

しかし、果たしてこれを小上がりと呼んでいいのか・・・大上がりと言ったほうがよいのかも・・・

 

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この書斎スペース、壁面にはブラックチェリー材のカウンターを設置。廊下との区切りは本棚で構成しました。

で、玄関に面した奥は造作ベンチを造り付けて読書スペースとしています。いくら天井の高い物件といっても床が80センチも上がるとさすがに低い。ベンチ部分は1.4mとロフト並みの天井高さ。ですが、基本的に座る空間なのでそんなに問題はない、と割りきっての計画。

それよりも、この籠もれる感じが隠れ家的で非常に居心地のいい空間になると思います。これは楽しみです・・・早くベンチに座りたい・・・

 

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こちらが床下収納。かなりのボリュームです。マンションって奥行きのある収納がなかなかないので、雛人形とか扇風機とかしまう場所で本当に困るんですよね。これだけあれば何入れても大丈夫。ちなみにこの空間、玄関にも続いてます。絶対子どもたちがかくれんぼすると思います(笑)

 

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こちらが玄関。左手にある引戸、上下二段になってますが、下段は自転車も収納できる土間収納と、ベンチの背中部分の奥行きを活かし普段使いの靴収納です。で、上部は先ほどのベンチに繋がっていて、これを開け閉めすることで南北の窓が風の経路として繋がるという仕掛け。

ちなみに右側も土間収納になっており、この土間からそのままウォークインクローゼットに繋がるようになっています。

 

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こちらはリビング。もともと少し飛び出したような形状になっていた部分を新たに子供室として区切りました。ただ普通に区切るのではなく、上部は開けた壁として設計、入り口の引戸も、リビングとの境の壁も半分は半透明のポリカとして採光を確保しつつ、入れ子のように挿入することで空間全体の圧迫感をなくすよう配慮しています。

変わった形状のマンションのため、ここにも梁がありましたが、あえて天井高さを落とすことで梁を消し、勾配天井部分との対比をしっかり付けて落ち着いた空間になるよう考えました。リビングというより、テレビみるとこ、という感じです。奥の壁は塗装で少し色を入れる予定。

 

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キッチンはもともとの位置をほとんど変えてませんが、もともと浴室の隣だったため行き止まり、ぐるっと廻るしか動線がなく不便でした。今回は浴室と洗面の位置を入れ替えることで新たに動線を確保。洗面とキッチンの間にはパントリーと洗濯機置き場を造り付けています。

コンロ前とカウンター下にはちょっと変わったタイル張り。今回はかなり色を入れてみてます。なかなかいい感じにアクセントになってくると思います。

 

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こちらは浴室。今回初のハーフユニットバスにサワラ板張りの浴室。上部に梁があるため、どうしてもユニットバスでは納まらないこともあったんですが、Nさんの要望(いや、私の要望も相当あったけど・・・笑)で採用が決定。ガスの浴室換気暖房設置、扉はヒバで造作する予定。これもまた楽しみなんだよなぁ・・・

ということで、なかなか内容盛りだくさんの家になっています。とにかく私、完成が楽しみなのですっ!!!ということでパースのご紹介終わります~

家具のような部屋、部屋のような家具(茨木市 マンションリフォーム)


今月は着工と提案ラッシュでずっとパソコンかじりついてますが、なかなかブログが書けない。いけません、このままでは!ということで・・・相当遅ればせながら、今週末完成見学会を開催する茨木M邸『小さなロフトと引き込み障子の小上がり和室のある家』のプランをパースでご紹介します。

完成見学会、すでにかなりお申し込み頂いてますが、まだ受付できますので、このブログをみて関心を持たれた方はぜひ。ということでいってみましょう。

 

まずはbeforeの状態から。築27年前後の大規模マンション、床面積は70平米ちょうど。この年代のマンションに多い、和室を南北に2室繋げ、その横にLDKがあるプランでした。L字キッチンというのもよく見かけますね。

 

玄関が北、水周りは北東に集まっており、北西に洋室が一室、という間取り。廊下がリビングより一段上がっているのは排水や給水経路を確保するため、ということが多いですが、今回は別段配管も通ってなくて、おそらく玄関のまたぎ高さの確保が目的でしょう。あぁ、半そで着てる、そういえば採寸はそんな時期だったなぁ・・・

 

北側の洋室。ここも廊下から一段下がっていて、カーペット敷きでした。天井も和室と水周り以外は直張り、という仕上げ。直天井の場合、照明は埋め込み配線になっているため、次の照明をどう付けて、どう配線を確保するかがいつも悩ましいところです。

 

こちら、スケルトン解体後のようす。一旦空っぽにしたのち、壁断熱、床の乾式二重床から下地を再構築していますので、断熱性能、遮音性能とも相当向上しています。ではここから完成予想のパースをみながら・・・

 

玄関入ったところ。非常にコンパクトな玄関、少しでも有効利用できるよう、上がり框は斜めに配置、片方の壁を姿見とすることで開放感を少し足してます。向かって右手が子供室、左はトイレに繋がります。

茨木I邸でも使った手ですが、壁上部はなるべくランマとして視線が抜けるよう考えています。夏場も風が通せるよう、玄関ドア内部に木製網戸を仕込むいつもの仕掛けを。玄関土間は今回、宮城県産の玄昌石という石を張って仕上げています。東北復興の一助になれば、と・・・

 

こちら、玄関横の子供室です。当面は夜勤の多いご主人の寝室でもあります。今回、面積の有効利用として、2600ミリほどの天井高さをロフトとして使い分ける手を考えました。ロフト下部はウォークインクローゼットです。

少しでも天井高さを稼ぐため、ウォークインはスラブそのまま、カーペット敷きとして10センチ床を下げています。ウォークイン内部の天井高さは190センチ弱、ロフトの高さは70センチほど確保しています。この低さがたまらなく落ち着きます。押入れの中に居る感覚に近い・・・

 

ロフトは廊下側に引戸を設けて圧迫感を緩和・・・家具のような部屋、部屋のような家具、とでも言いますか・・・正直、取り合いだらけで図面はかなり大変になります。いや、現場も・・・

子供にはとても楽しい空間では、いや大人もきっと楽しいはず・・・楽しい空間、というのは家にとって大事な要素だと私は思ってます。はい。

 

ウォークインは一部天井が高くなっていて、タンス置き場になっています。その先は寝室である和室に繋がります。建具を全て開けていくと、南北の窓が繋がる風の通路ができるというわけ。

ちなみに和室の床は基準床から30センチ、ウォークインからは40センチ上がってます。上がり口は外せるようになっていて、下部は収納として使えるようにしています。和室の押入れは床を少し浮かせて飾り床に、建具は柿渋和紙を張っています。建具上部にもランマ、これはウォークインに少しでも明かりを落とす工夫。

 

LDK、和室全景。南からみたところ。和室は障子で仕切れば寝室、障子は全て引き込めるので日中はリビングの延長として使えます。吉野杉芯去り上小節のスギ4寸柱をコーナーに立てています。カウンターキッチンは天板とエンドパネルにタモ材を使用、カウンター下は小物収納に。

 

ダイニングの壁面には作りつけカウンター。パソコンスペースと、今年から小学生になるYくんの勉強スペースでもあります。教科書とかもしまえるよう吊戸棚も設けました。今回はこのカウンター含め、キッチン背面収納も全てヒノキの巾はぎ集成材で構成しています。パースは杉っぽいですが、実物はもっと白っぽく、節もほとんどありません。

ちなみにダイニングテーブルとテレビ台もタモ材で造作しました。実物は安定のため4本脚になりました。丸テーブルはコンパクトなスペースでも邪魔しないので非常に有効です。このあたりも見学会のみどころ。

あと、南側の窓の間に収納とエアコンを設置、これは配管の問題があったためですが、梁の出っ張りでうまく納めています。窓上に木材が見えますが、これは杉床を使って窓枠を壁からせり出して、ハンガーが掛けられるように溝を掘ってあります。室内干しのためのアイデア。

 

 

キッチンの奥はパントリー、冷蔵庫や食品ストックを置けるように。そのまま洗面に繋がりますので家事動線も問題なし。洗面は天板に山桜、背面は漆和紙を張っています。ミラーキャビネットは造作です。床はサーモタイルを使用。天井には能登ヒバの羽目板を。

トイレ。決して大きくはない空間に大きなミラーで広がりを出して、ニッチのような飾り棚で奥行きを少しでも感じられるように。タンクレス便器に手洗いも設けました。便器背面の棚の間が一部収納になっています。こちらも手洗い周りは漆和紙仕上げ。

 

ということでざっとご紹介しました。こうやってみただけでも、床の高さがいろいろ、それぞれが役割を持っていて、建具やランマを介しながら、入り組みながら繋がっていくような感じ。

今回、ちょっと複雑な部分が多かったのは間違いなく・・・もちろん、空間の最大活用をしたい、という思いがあったわけですが、性能も確保して、素材も、と色々懲りすぎてしまったのは否めません。コストもそれに合わせて大きくなってしまいましたし・・・し、しかしその分、非常に遊びと深みのある家に仕上がったと思います!Mさん(笑)

ただ、70平米前後のマンションでお子さんが居られる場合のプランニング、という場面は他にも結構多くあるのではないかと。その際、平面的にモノを考えると、手詰まりするか、非常にありふれたものになっちゃってるケースは多いように思います。

そういう意味では、なかなか意欲的な物件になったのではないかと・・・ようやったぞ、俺、と褒めてやりたくなる、そんな家・・・とにかく、一人でも多くの方に完成見学会で実物を見て頂きたいなぁ、と思うのであります。ぜひ足をお運びください!

『小さなロフトと引き込み障子の小上がり和室のある家』完成見学会のお知らせ

ガレージスペースのある家と風通し(神戸市長田区のリノベーション)


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猛暑の続く中工事が進む神戸長田N邸。工事も大詰めに入ってきており、9月10日には完成見学会開催します。

詳しくはこちら→『ガレージスペースとホームシアターのある無垢床の家』完成見学会のお知らせ

次の見学会は冬になっちゃいますので、この機会に皆さまぜひご参加くださいませ~

 

では早速、神戸市長田区『ガレージスペースとホームシアターのある無垢床の家』をパースでご紹介していきます。この家の特徴は色々あるのですが、私がもっとも重要視したのは『角住戸ゆえの温熱環境の改善』と『西向き住戸の通風をなるべく活かす』ということ。特に風通しについては、いつも気にしているところではありますが今回は特に工夫を凝らしています。

というのも、西向きの家って風通しがいいのです。物件を見せてもらったときや採寸時、窓を開けて色々試してみましたがやはりいい風が通っていました。真夏や真冬はアレですが、外が気持ちいい季節はなるべく風を通して生活してもらいたい、という思いは常にあります。私がエアコン苦手なのもあるんですけどね・・・

 

玄関。玄関土間はモルタル金ゴテ押さえの上にエポキシ樹脂コーティングをしています。汚れが付きにくくなるように、ということでの配慮です。右手は玄関収納、手前にはスノコ状に作ったベンチ。これは家具として置くだけにしてあります。その奥が洗面室への入り口。

左手が自転車ガレージでもある工作室。玄関から土間を繋げてあって、自転車の出し入れがしやすいようにしました。中央奥の引き戸がリビングへの入り口。右手がトイレ、左手がウォークインクローゼットへの入り口となります。

ちなみにもともとの玄関廊下は洋室のドアが外開き。開放すると玄関土間にかぶってくるという、なかなかひどい設計でした(笑)またリビングへの入り口のドアも風が吹いたらバタン、と勝手にしまるし・・・ドアってやっぱりマンション廊下には向いてないなぁと思うんですが・・・

ということで奥の引き戸はいつもどおり、開放時は壁に納まる引き込み戸としてあります。

 

こちら、玄関から続く自転車ガレージにもなる工作室です。元々は洋室だったところ。床は全て土間、天井は上階スラブ下面表し。壁はビスがどこでも利くようにということで全て針葉樹合板貼り。合板を表現できるいいテクスチャーがなくて・・・実際はもっと木目が出てくるし、床も天井もモルタルなので『まだ工事中?』という感じになるかと・・・

ちなみにもともとはかなり低く天井が貼ってあったのですが全て撤去。なので天井高さは2650ミリくらいあります。私たちとしては珍しく(笑)、かなり天井の高い空間になっています。

窓際のカウンターは趣味の模型作ったりする作業台。これも合板でざっくり作成。天板は薄いシナベニアをビス止めしてあって、汚れたらホームセンターでベニア買って交換、ということができるようにしています。いいなぁ、うらやましいなぁ。私もこんな部屋が欲しい!ガンプラつくりたい・・・

工作室からはウォークインクローゼットへの経路も取ってあります。これは風の経路にもなります。

 

こちら洗面。奥に浴室が見えてます。今回のリノベーションの一つのポイントが浴室含め水周りの大掛かりな移動です。施主のNさん、かなり長身(6尺の池ちゃんよりデカイ・・・)ため、浴室のサイズは大きくしたい、という要望がありました。が、現状の浴室は住戸中央にあり小さく、サイズを広げる余裕もなく・・・

そこで、玄関横にもう一つあった小さな洋室部分まで浴室を移動、大きな窓を浴室に取り込んでみました。住戸の柱型のため窓と浴室の間にスペースが必要になったのですが、浴室側に内窓を設け、杉材を張り巡らせることで、廊下側の窓特有の視線を防ぐバッファゾーンとしています。観葉植物置いたりしてもいいし、フロ浸かると杉が見えるので木のお風呂の雰囲気を少し味わってもらえるように。

工事中に見ましたが浴室デカイ上に窓も大きいので風呂がすごく広く感じます・・・いい感じです。

 

洗面の逆方向にはリビングへの通路でもあるユーティリティを設けました。ここはパントリーのような食品庫でもあり、納戸でもあり、洗濯機置き場でもあり、冷蔵庫スペースでもあり、と複数の用途を持たせた裏のスペース。以前大阪堺のY邸でも似たスペースを設けたことがあります。

実はここに冷蔵庫を置いたのは、Nさんの趣味であるホームシアター鑑賞の際、冷蔵庫のモーター音が聞こえないような配置にしたい、という要望があったからです。単純に冷蔵庫に扉を付けるという手もありますが、結果的にこちらの方が合理的で無駄がない配置になりました。

もう一つ、引き戸を全て開けていくと、浴室の窓とリビングの窓が一直線で繋がるため、風の経路にもなる、というわけです。

 

ようやく(笑)、LDKです。住戸面積のうち、バルコニーに面する側の半分がこのLDKになっています。もともと、なぜかとっても低く抑えられた天井とカーペット敷き、壁で囲まれたカウンターキッチン、隣接する6帖の和室、というよくある構成。角部屋のため和室とリビングには出窓もありましたが・・・暗い。

まず無駄なものは全て取り去り、キッチンは壁際にオープンタイプに変更。もちろんいつもの大工さん造作キッチン。その隣はホームシアターのAV機器その他を収納できる壁面収納。もともと和室があったあたりには小上がりの畳コーナーとして、ここが寝室になります。

 

小上がり畳スペースは9つのユニットでできていて、もちろん移動ができます。下部は収納。これは以前、伊丹O邸で作った畳ユニットの改良版で、少しサイズが大きくなっています。和室って作りこむのもいいけど、こうやって移動ができる方が将来的な可変性があるのと、使い方のバリエーションができます。

その奥にある収納は高い天井高さを活かして4分割、扉は引き戸にしてあります。ここが寝室になるので、布団の上げ下ろしにいい高さとして右上のブロックが布団収納。左側上下ブロックはそれぞれハンガーに。

右下ブロックはウォークインクローゼットに開放してあって、引き出しの押入収納ボックス置いたり、大きな箱物を置いたりしつつ、工作室→ウォークインクローゼット→リビングという風の経路としても機能させます。初夏くらいまでは通風だけで寝てもらえたらなぁ、という・・・

先ほどの浴室→洗面→ユーティリティ→リビング、に加え、廊下を入れるとこの住戸には東西を繋ぐ3本の風のみちができることになります。

 

リビング全体。ホームシアターは右側の出窓下にある棚にスピーカーを3つ置けるよう配管してあり、上部からスクリーンを吊る感じです。プロジェクターはリビング中央の梁より少しキッチン側に配線と下地を設置。あとの器具の設置やインストールはNさんの引渡し後の楽しみになることでしょう・・・

 

・・・ということでじっくり見てきましたが、やはり色々密度が濃いなと。壁の断熱改修や内窓設置、珪藻土塗りなどもあるので現場は苦労するわけですね・・・みんな、ごめんね・・・(汗)

そんな職人さんの苦労が詰まった物件になっておりますので、完成が楽しみだなぁ・・・皆さんもぜひ完成見学会で実物を体感してください。ではでは。

サンルームのあるメゾネットの家(西宮名塩 リノベーション)


現在工事進行中の西宮名塩I邸『障子と珪藻土を使ったサンルームのあるメゾネットの家』、着々と工事は進行中。来月半ばには久しぶりの完成見学会を予定しています。思えばこのマンション、昨年のKさんに引き続き2件目、その他何組かご相談を頂いていて、縁の深い物件となってます。

とここまで工事進んでいながら、いまだどういったリノベーションなのかご紹介できてませんでしたので、ここで完成予定のパースを交えてご紹介。

 

この物件、メゾネットなんですが、玄関やLDK、水周りは2階部分にあって、1階に2室がある、という構成になっています。今回はコストを考えて2階部分の全面改修となります。壁式構造のため間取りの大幅変更は難しく、また配線がほとんど埋め込みという、非常に難易度の高い物件・・・

左は玄関周りのパース、床をいつもの吉野杉フローリング張りとして、玄関収納を増設しています。奥の扉奥がLDK、左手が水周り、右手が下階への階段となっています。階段の仕上げは既存のカーペット張りをそのまま活かし、壁のみ珪藻土塗りに変更する予定です。

 

で、この階段は2階部分が全面ガラス張りでルーフバルコニーに繋がっています。初めてこの物件を見させてもらった際、ここが一番気持ちのいい場所だなぁと感じました(夏や冬の暑さ寒さは別として・・・)。と同時に、すごくもったいないなぁ、とも思ってしまいました。

というのもリビングと階段の間には腰窓のみで、この明るさや開放感はリビングに取り込めていなかったんですよね。また高さ的にも窓拭きなども大変だろうし・・・それと奥さんが観葉植物好き、というのもポイントとしてありましたので、この階段上に床(サンルーム)を作ったら気持ちいい空間ができないだろうか、と考えたところからプランニングが始まっています。

 

リビング側から階段側をみたところ。左が工事前、せっかく明るくて開放的な空間なのに、窓が小さいから暗い・・・壁式構造なので抜ける壁は限られてますが、窓が付いている部分は床まで木下地だったため、窓と壁を思い切って撤去し、階段スペースとリビングを一体の空間として扱います。この壁を抜いてから現場はかなり明るくなりました。

 

 

こちらが完成イメージ。階段とリビングの間を抜いてしまうことで、気持ちよさと同時に暑さや寒さもリビングに来てしまうわけです。そこで障子を設けて、通常は光だけは通しながら空間を分けられるように考えました。この障子、両袖の杉羽目板の戸袋に引き込まれるようにしてあります。この戸袋はスイッチやコンセントの配線スペースでもあります。リビング入り口とも鴨居を通してあるので水平方向にすっと視線が繋がりすっきりした空間になっています。

 

で、この障子を開けた先にサンルームを設置しています。といっても、階段の上り下りに支障のないよう、左側の障子の奥だけに床を作ってあります。右側の障子の奥はそのまま階段なので、子供が落ちないよう、高い位置で施錠できるように考えています。

階段室の窓の下側にサンルームの床を合わせることでできた段差をそのままリビングまで持ち込み、ベンチのような収納兼、TV台としています。障子はアクリル板に和紙を張ったワーロンプレートを落とし込んであるので、断熱性、耐久性とも優れています。

 

< p>サンルームはこんな感じ。階段側にはポリカーボネートをはめ込んだ転落防止用の手すり。上部には物干し竿を掛けられるフックを設けてあるので、洗濯もの干し場としても機能します。植物を育てる場として、さらに窓拭きも問題なし。

サンルーム床はフローリングより厚めの35ミリの杉板を使います。当初はスノコ床にしようかとも思ったんですが、ホコリなどが落ちるだろうということで板材で作ることになりました。

 

リビングを見たところ。もともとは隣り合わせで和室が一室、その北側がキッチン、という構成。その和室を撤去して、ダイニング兼フリースペースとして再構築させています。壁は全て珪藻土塗り。断熱性向上と結露防止のため内窓をペアガラスで設けています。

 

工事前のキッチン。このキッチンと和室の構成はK邸とほぼ同じ。和室に南側を占領され、勝手口はあるものの細長い形状のために昼間でも照明つけないとやはり暗い。キッチンを明るくしたい、という奥さんの要望でしたが、調べたところ壁を全て撤去できたK邸とは違い、和室とキッチンの取り合いに半分ほど抜けないコンクリート壁があることが判明。これは相当悩みました・・・

 

ということでウンウン悩んだ末考えたのがこちら・・・もともとリビングからキッチンへの入り口だった部分をまたぐようにL字にキッチンを配置して、リビング側には収納棚を設け、小窓のカウンターキッチンのようにしてみました。これなら南側の窓からの光が届きつつ、リビングとも繋がるためコミュニケーションも取りやすくなるのでは、というアイデアです。

もともとキッチンと勝手口があった場所は仕切ってウォークインクローゼットとしています。暗いところは収納、明るいところは居室、という当たり前の配置に戻した状態ともいえます。キッチン背面には食器収納を作りつけています。もちろんキッチンもいつものシナ共芯合板の大工さん手作りキッチンです。

 

ダイニングキッチン周りはこんな感じ・・・もともと和室だった部分を縦に割って、手前をダイニング、奥をフリースペースとしています。フリースペースは引き戸で区切れるようになっていて、当面は収納や趣味の空間、将来的には子供室としても使えるように。

・・・ということで、図面なしで伝えるのがやっぱり難しい・・・現場も施工図も大変だったようですし、やはりややこしい物件には違いないようですが、来月の久しぶりの見学会が楽しみです。その前にIさんと珪藻土塗りもやろうと思っています。お楽しみに。

ワンルームのような天井がつながった家(茨木市のリノベーション)


池ちゃんのブログでも書いてましたが、今週から茨木I邸『本棚ベッドのあるワンルーム空間の塗り壁の住まい』が着工しました。年をまたいで来年2月に完成見学会の予定。

年明け着工の伊丹O邸と同じく、スケルトン解体、乾式二重床(LL40)、乾式壁断熱、内窓全窓追加(内部ペアガラス)、全面珪藻土塗り(セルフ)に造作キッチンに本棚やテレビ台の造作家具と、まさにうちの木のリノベフルスペック仕様。ここまでやっておけばもう心配なし。

解体終了した現場は広い・・・ドッチボールくらいならできそう。そういえば真四角の物件は久しぶりな感じもするなぁ。

 

さて、通常なら解体現場は天井から電気配線やら何やらぶら下がります。ところがご覧の通りすっきり。上の階の床スラブ下面が天井仕上げ面で、電気配線も露出配線だったためです。

築37年で私より一つ年上のベテランマンションゆえ、階高も高くはない。遮音床下地で100ミリ必要なため、天井仕上げを新たに作ると天井高がかなり低くなってしまう。そこで今回はこの天井面をうまく使うプランとしました。ここで完成予定のパースを交えてご紹介。

 

玄関から廊下。右が玄関収納、その奥はトイレと洗面への通路。左手が予備室で奥がリビング。天井面は既存仕上げ撤去の上、下地処理して仕上げ。

プランは基本的な条件をお聞きして、プランニングはほぼお任せ頂きました。何と言っても提案業ですので(笑)、お任せしてもらえるのが一番嬉しいし力も入る・・・まぁいつもお任せ頂いてますけど・・・

なるべくワンルーム空間に近づけるため、壁を2000の高さで止めて、ランマガラスを入れて視線が全て繋がるように。透明ガラスなので家の端から端まで天井が繋がります。

照明は配線できないので天井ではなく壁で取っています。水周りと予備室以外、天井に付ける照明はレール一箇所のみ。天井にゴチャゴチャ付けるのは好きではないので、個人的には理想の照明計画なのです・・・

壁に付けたブラケットは電球と台座のみのシンプルなもので器具代も安い。別の部屋からは電球の存在が見えないのでランマ越しの間接照明にもなります。

 

こちらは予備室から高めの目線でランマの構成を見てみます。右手がさきほどの廊下、左手はウォークインクローゼット、奥はLDKに繋がります。ランマ越しに全ての空間が繋がりつつ、遮られているのが分かります。

廊下、予備室、WCLの3箇所の壁付ブラケットは全て家の中心付近にあり、このあたりの天井を最も明るく照らします。家の中心が明るいのはいい家だ、と誰かが言ったような言わないような・・・言ってないね、たぶん。

 

トイレと洗面。もともと洗面室は狭く、トイレも洗面からしか入れないプランでした。そこで洗面位置を大きく南に動かし、トイレを広げつつセパレート。トイレはタンクレス+手洗いが定番になってきました・・・幅の狭さを解消しつつ、来客にも喜ばれる大きなミラーを設置。

洗面はこれまた定番となりつつある広葉樹天板と洗面台、大きなミラーのセットです。両方とももちろん、天井はスギ羽目板張り。

 

LDK。この家の南側3分の2はLDKスペース。かなり広い空間。この大きな正方形空間の中心にシンボル的にスギ柱を建てることで、感覚的に4つの空間(リビング・ダイニング・キッチン・ベッドルーム)を田の字に区分けています。

照明はキッチンの手元とダイニングペンダントをダクトレールで取っている以外はキッチン背面の間接照明のみ。正直、これだけだと暗いはずですので、残りはスタンドなどで照度を確保してもらいます。自分の家を作れるなら、私もリビングはこうしたい・・・夢の話だけれど・・・

 

キッチンは定番のシナ共芯合板&ステンレスヘアラインの造作キッチン、食洗器なしタイプ。

背面は壁を50ミリふかし、配線や棚の下地スペースを確保しています。壁面いっぱいに棚が繋がっていて、キッチン背面は食器収納、そこからダイニングの本棚に変わり、一段下がってパソコンスペースになります。

間接照明はまるで150ミリ角の柱が浮いているような造形として、天井面と壁面を同時に照らします。かなりシンプルな構造にできそうで、今回結構気に入っている部分です。

 

LDKの一部に設けたベッドスペース。杉材で作った本棚をL字に置くことで圧迫感出さずに適度に区切れるように。Iさんが買われる予定のベッドマットに合わせてスノコも作ります。もちろん全て移動可能。

さて、今回の風通し確保のポイントがこちら。ベッドを置く部分からちょうど北側の腰窓が見えます。この直線状の南側には掃き出し窓があり、マンションの南北が繋がります。

マンションはとにかく、玄関ドア以外の窓で南北を繋げるのが通風の基本。もともと南北は日当たりでの温度や気圧の違い、高さもあるから風は通しやすいんです。

今回も結構高層なこともあって風通しはかなりいい。これなら夏はエアコン要らないかも知れません、Iさん。ただ他の引き戸は閉めて、この経路だけ開けるようにして下さい。

網戸も直しますし(笑)、天然の扇風機に期待しましょう♪

 

南側掃き出し、北側腰窓とも内窓をペアガラスで設置。壁も乾式ですが50ミリほど断熱します。ニュースでもやってますが、全国的に断熱材が不足していて確保は大変だったみたい・・・

ここは上下左右隣戸に囲まれているし、日当たりもかなりいいので、冬でも天気のいい日は暖房なしでも全然いけるでしょう。う~ん、省エネ・・・

そういえば断熱改修と内窓設置した吹田Tさんから、寒い朝でもリビング18度あるよ、とメール頂きました・・・無暖房でその温度はすごいです・・・Tさんちは来週お伺いする予定なのでその温度を体感してきますね。

 

どうでしょう、天井に照明のないすっきりした感じ、伝わったでしょうか。完成が楽しみ♪

照明付けたら、大人の空間、という感じになるかと・・・見学会は2月中旬に開催予定ですので、この感じを皆さんにぜひ味わっていただきたいです、はい。

そうそう、明日は1年ぶりに京都KさんのところにUさんをお連れして訪問してきます。ついでにカウンターに穴あけなんかもしてきます。Kちゃん、大きくなってるだろうなぁ・・・

それと・・・今日は名塩Kさんちで忘年会のお誘い頂いてたんですが、Kさん家族ののっぴきならない事情で年明けに延期という電話が・・・ご主人、既に買出しまでされてたみたいでかなりショック受けられてました・・・大丈夫でしょうか、新年会首を長くして待っております~!

・・・そういえば今年はHさんから忘年会のお呼びがない・・・きっとお忙しいんですよね。
でもHさん、私たちはいつでも準備はできてます。厚かましい・・・(笑)

2つの床高さを持つ家(伊丹市のリノベーション)


昨日は伊丹Oさんの打ち合わせでした。ご自宅にお伺いしたのですが、工務店さんにも来てもらって下見と解体時の搬出経路なども確認してもらいました。

断熱改修も含むスケルトンリフォームであり、珪藻土塗りや広葉樹、家具などもふんだんに盛り込んだフルスペック仕様。さらに私のこだわりも入り(汗)、伺っていたご予算をかなりオーバーしてしまっています・・・

しかし、ここまでやっておけば数十年はメンテなしで住める。イニシャルコストも大事ですが長い目のランニングコストで考えると必ずトク、ということでご理解を頂いています。ありがたいやら、申し訳ないやら・・・

ということで個人的に力の入っている伊丹O邸をパースで少しご紹介。
今回のテーマは『2つの床高さ』です。

 

玄関を入ったところ。もともと大きな玄関ホールですが床の色の暗さもあり決して明るいとは言えません。そこで玄関収納を建具鴨居高さであわせ、上部に間接照明を設けて広がりを出しています。正面にはトイレの戸当たりも兼ねた杉柱。その隣りは私たち定番の姿見。

姿見は当初提案では付けるのを忘れてたのですが、Oさんからのリクエストで実現(笑)
色合いや素材感など、尼崎T邸に近い感じです。

 

玄関見返し。ここも尼崎T邸と同じく網戸を引き戸で設け、引き込みできるようにしています。T邸では人目が多くない配置でしたので桟が荒めですが、O邸は前が階段ということもあり、ルーバーを細かくして、網も中が見えにくい素材を使う予定。もちろん鍵が付きます。

さらに最近定番化しつつある山桜のベンチも設けています。

今回、壁も全てばらして断熱をやりかえます。玄関横小窓も含め、全ての窓に内窓を設ける予定。熱損失も。

 

 

洗面やトイレの位置はほとんど変えず。洗面はもともとキッチンにも繋がる2WAYでしたが、収納がなくて物が溢れており使えない状態だったため、新たに収納を追加。

洗面台の雰囲気は宝塚I邸と同じく山桜+モザイクタイル+洗面台の組み合わせ。結構人気があります。床のサーモタイルをグレーにして少しシブめのイメージを狙っています。

 

リビングからダイニングとキッチンを見る。今回、家の半分以上がLDKの大空間、西にダイニングキッチン、東がリビングという構成で、東西に大きな梁が掛かるという状況。配線や照明などのスペース確保と共に、リビングとその他空間の視覚的なエリアわけとして天井高さと仕上げを変えています。

LDK南西の一角が出っ張っている部分は畳スペース。床を35センチ上げています。正面には同じ高さで続くベンチスペース。

 

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畳スペース、ダイニング、キッチン。2200ミリで押えた杉羽目板の天井で包み込まれるような感覚を持たせ、梁の凹凸を生かした間接照明で天井を照らします。

友人が集まることの多いOさんの生活に合わせて、壁際はベンチスペースとしてキッチンまでぶつけています。ダイニングテーブルと座卓も杉材で作成。高さを合わせてあるので大勢来た時は繋いで長テーブルにできるように。

キッチンカウンター下とベンチにはOさんの趣味の備前焼が並べられるようにたっぷりの見せる収納。ベンチ下ももちろん収納です。35センチの床がぐるりと繋がることであちこちに腰掛けられて、色んな居場所ができます。

畳スペースは飛び出している部分は半畳ごと6つのユニットに分かれていて、移動してイスとしても使える。下部には引き出しも3つ設置。

 

ダイニングの一角は三角形の出窓スペースのようになっています。採寸にお伺いしたときに、この場所が生きていないというか、どうしても物置になってしまう、もったいないなぁと。この窓は駅前の蔵の雰囲気を残した商店街が見えて、風も通るいい場所なのです。

ここを何とか気持ちのいい場所にできたらいいなぁ・・・と、床を上げてしまえば物置きにもならないし、足延ばして腰掛けて本読んだり、寝そべったりできるかな、と。

ルイスカーンのフィッシャー邸のベンチのある出窓、とは言いすぎですが、この三角形を一つの部屋として考えたいくらいのイメージ。冬の午後なんか日も差して、きっと気持ちいい居場所になると思います。

 

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キッチン。beforeの写真、角度は違いますがよくある閉鎖的なカウンターキッチン。天袋をなくしてダイニングと天井を繋げ、開放的に調理ができるように。キッチンはシナ共芯合板を使った大工さん造作キッチン。こちらも最近とても人気。

キッチンカウンターには備前焼収納の他、お酒が好きなOさんのために、一升瓶が14本も並べられる『おさけ収納』を作ってみました。上部の板に穴が開いていて、下から差し込んで固定することで瓶の転倒防止。

さすがに一升瓶が14本もないので、見学会のときには馴染みの酒屋さんからお酒を借りて並べようか、という話になっています(笑)

 

・・・と、こうやって見てくるとダイニングキッチン周りの密度が濃いですね・・・やはり・・・

毎回、物件を初めて見たときにビビッと感じるものを大事にしたいと思ってますが、やはり今回は三角の出窓ともともと一部屋だった南西角の出っ張りがもったいない、と感じたところから全て決まっている気がします。

とりあえず、年明けすぐの着工に向けて進行中。再来週にはショールーム行ってきます!

 

・・・おっ、そういえば今日の打ち合わせで壁の珪藻土塗りは全面セルフ塗りで行こう、という話になりました!180平米くらいあるのでこれは塗り甲斐があるぞ・・・楽しみだ・・・

OB壁塗り隊の皆さま、2月末か3月頭に伊丹で集合掛かりますのでご予定空けといて下さいね。

木の箱とワンルーム(宝塚のマンションリノベーション)


 

この数日、プラン作成が重なって相当動きが悪くなっておりました・・・不器用でマルチタスク処理ができない性分、プランで悩みだすと他のことが手に付かなくなる。生産能力の低い事務所・・・いや、私(泣)

で、ようやく落ち着いてきましたので、宝塚I邸のプランをパースでご紹介しようと思います。
キーワードは木の箱とワンルームです。

まずは玄関入ったところ。左手は全面の収納引き戸、右手は水周り、奥は寝室。廊下の形は変わってないように見えるんですが、水廻りの面積を増やすため洗面とトイレの壁を張り出していて、その分廊下を全体に左にずらしています。そのずれを活かして設けた広葉樹ベンチがずれた視線を廊下奥に調整しつつ誘います。

 

 

ホール反対側から玄関ドア方向。水廻りはトイレと洗面の引き戸が重なるように引き込んでいます。beforeの写真と見比べると、玄関ドアの位置の違いで廊下のずれがわかるでしょうか・・・右手の全面収納は梁下に納まる箱状になっています。玄関ドアの隣りを姿見としているので視線が奥につながっていきます。

 

 

玄関。玄関収納は大きな三枚引き戸の木の箱のように見えますが、一番左側のみ通路兼収納空間となっています。引き戸開けてみますと、こんな感じに。

奥はウォークインクローゼットと書斎と納戸をごちゃまぜにしたようなユーティリティスペース、さらに奥はキッチン横のパントリーへ繋がっています。引き戸内の小さな土間はお子さんが小さいうちのベビーカー、もう少し大きくなったらキックボードとかボールとかバットとか、そういうものを置けるように(うちもこういうものが玄関にいっぱい・・・)

つっかけとかサンダルとかはここで脱ぎっぱなしにできるので、家族用の玄関にもなってくれるはずです。

 

玄関と廊下の全景。引き戸を外してみると箱の中身が分かります。廊下とリビングの間に挿入された杉の箱。壁ではなく、収納のような通路のような家具のような『箱』でゆるく区切られる、そんなイメージです。右は玄関とリビングを仕切る引き戸。木の箱の中に引き込まれるため、開けると存在が消えてしまいます。

箱の上部はご主人の趣味であるバスケットのシューズの飾り棚としてはどうかと。

 

 

水廻り側はこうなっています。引き戸は少しずらすことでお互い重なるようにして納まります。こちらも洗面とトイレが一体になった木の箱がグサッと刺さっている感じ。トイレ一面の壁を杉羽目板としているので箱感がより強調されます。

 

洗面とトイレ。現状の洗面が相当小さかったため、幅、奥行きとも広げ、収納を確保しています。それに伴ってトイレもずらしています。床はサーモタイルでホワイトに、天井は杉羽目板。水廻りのみ床と天井がひっくり返ったような感じですね。

トイレには手洗いも増設。洗面は浴室入口との兼ね合いで奥行きが取れないため、広葉樹天板に置き式の洗面ボウルとしています。モザイクタイルと広葉樹の取り合わせはキッチンでも使っていてこの家の一つのポイントとなっています。

 

玄関ホールと木の箱を挟んで平行に配置したユーティリティ。もともと小さくて変形した洋室があったスペース。窓を活かしてご主人念願の書斎カウンター。逆方向は一面が衣類を掛けられるハンガーラック、もう片面を可動式の棚としています。棚の奥の扉は廊下に、カウンター右手の入口はパントリーにつながります。

 

構成が非常にややこしいので廊下から見てみます。一番左が玄関ホールと水周りの引き戸。となりが木の箱、ユーティリティ、キッチン、リビングとつながります。木の箱は両面が収納になっ
ていて、引き戸が引き込まれているのが分かります。

 

リビングのようす。もともとは閉鎖型のキッチンとリビング、和室という構成だったものを解体、和室の北側にあった洋室も合わせて、大きなLDK空間としています。中央には杉柱、左手の置きタタミの空間の向こうは子供室、置きタタミ空間は将来的に子供室となるスペース。キッチン右手にはパントリーとして小さな一部屋を取って冷蔵庫などを置いています。

天井も全て杉羽目板で。横にかなり広い空間なので天井はこれくらいの方が空間が締まります。梁を活かして間接照明を取り、杉に反射させた灯りで空間全体を照らすかたちです。

 

ダイニング側から全体をみてみます。広い空間にポールセンのペンダントライトを吊って『あかり』でダイニングを明確にします。あまりに広い空間にぽつんとあるキッチンって落ち着かないものですが、オープンで開放的でありながら、梁と照明によってエリアが明確に分けられるので調理作業に集中できます。リビング壁面にはテレビボードを作りつけています。

 

真正面からみたLDK。キッチン背中の収納上部、タタミスペースの壁上部、パントリー入口上部は全て抜けているため、天井が繋がっていくことで視線が伸び、さらに開放感を得ることができます。玄関ホールとリビングを分ける建具からこちらは基本ワンルーム空間になっているわけです。

 

キッチン。定番の25ミリモザイクタイルの腰壁とシナ共芯合板の造作キッチン。キッチン奥が冷蔵庫やゴミ箱、買い置きの収納となるパントリー。左手はユーティリティに繋がっていますので、ゴミ出しなどもスムーズ。冷蔵庫はリビングから見えにくいし、調理中に飲み物取りに行っても邪魔にならないので便利。

 

子供室。限られた空間で2つの子供室を確保するために、窓一つを分け合って使うというアイデアを試しています。窓際に作りつけたカウンターは勉強机。あとはシングルベッドとIKEAや無印の収納キャビネットが置けるスペースだけ確保して、最小限の面積で子供室を取ってみました。

天井や窓際を繋げることで圧迫感が少しでも減るように。まぁ、決して広くはないですが、『子供部屋は狭いほうが自立心が育つ』が持論ですので・・・こういう小さな部屋、子供時代に憧れてたという個人的な好みもあったり。

 

廊下から子供室をみてみます。扉はすでに二つ作ってあるので、あとは壁を一枚建てるだけで2部屋できます。子供が独立したらまた壁を外せば広く使える。ライフスタイルとか家族構成は5年とか10年でどんどん変わっていくので、可変性を持たせておくのはとても重要なことだと私は思います。

 

・・・ふぅ、今回もパースでの説明が難しい・・・その分、面白い構成になってると思います。ほんと、私好みの感じになってますので・・・

今は工務店さんに見積依頼中。金額が少し心配です・・・オーバーしてませんように・・・(祈)

水周り移動で廻れる動線を作る(リノベーション 尼崎)


現在打ち合わせ中の尼崎T邸、プランがある程度固まって現在概算見積を工務店さんにお願いしているところです。CGパースでご紹介しておきます。

(beforeの全体が写ったいい写真が手元になく、Tさんに撮って送ってもらいました・・・助かりました、ありがとうございます)

 

玄関を入ったところ。築10年ちょっとですからまだまだ新しく、玄関も広い。がしかし、収納が少ない。サッカー一筋の兄弟二人居るとスパイクやらボールやら色々出てきますので、もともとあった玄関収納を撤去し、一帖ほどのシューズクロークを取っています。ここで大きな物はある程度納まるはず。

反対側の壁に新しく玄関収納を取っているので、靴の収納はこちらで。開き戸ではなく引き戸としています。

 

玄関の見返し。現在、玄関ドアには折戸タイプのアルミ網戸が付いています。マンションって、北に玄関、南に大きな開口があるので、玄関開けて風を通したいという欲求は強い。実際、南と北では温度と気圧が違うので、風が通りやすいんですよね。

ただ、アルミの折戸は開け閉めも面倒だし不恰好。そこで木製の網戸を引き戸として設けました。もちろん鍵付きなので防犯にも一役買ってくれます。左手は広葉樹ベンチ(樹種未定)とヒノキ磨き丸太の手すりつき。

 

廊下の奥は寝室への入口。左手は子供室2部屋。子供部屋はもともと納戸のような部屋と大き目の洋室に分かれていたんですが、これを真ん中にWCLを挟んだ形で等分に分割、ケンカしないでいいようにします。WCLはどちらの部屋からもアクセスできるようにしているので、ゆるく繋がっています。

廊下の壁一面は本棚。もともとここは洗面とお風呂への入口があったところなんですが、水廻りはリビング東側にガバッと移動しています。ここは漫画本棚となる予定、借りに来ることにしましょう(笑)

 

玄関から右手がリビング入口と手前右側がトイレ。角には杉4寸角を戸当たり兼シンボルとして。

トイレの位置はそのまま。ただし中の雰囲気はガラッと変わっています。引き戸上部を欄間ガラスにすることで灯り窓代わり、また視線が抜けることで狭い空間に少しでも開放感が出るように。

 

リビング。beforeとかなりかけ離れているので分かりにくいですが、もともとはマンションによくある閉鎖的なカウンターキッチンと狭いダイニング、縦に広いリビングという構成。ただダイニングは奥さんの仕事場となっていて、テーブルはリビング奥に置いてある状態、ソファの位置がテレビに正対しない配置となっていました。

収納力の向上とワークスペースの確保、キッチンの開放感と、なるべくLDKを大きく感じられるように、もともとワークスペースだった部分に浴室を移動、キッチンだったところに洗面を移動しています。パースで見えている土色の箱の部分が浴室です。

この住戸は全体的に台形になっているため、浴室のボックスはリビングに対して斜めに刺さるようになっています。四角い空間に水周りの箱を『入れ子』とした配置を、視覚的にも素材的にも分かりやすく表現しています。

 

キッチンは浴室ボックスに沿うようにカウンターキッチンとして、ダイニングテーブルとの位置も考えて配置。キッチンの背中側は冷蔵庫と食器収納、奥はパントリーを通って、そのまま寝室のWCLに繋がります。いつもの回遊できる動線です。

食器棚の中間には開口があって、寝室と繋がっています。なぜかというと・・・

 

左)寝室。東向きで明るい寝室の一角をワークスペースとしてカウンターを設けています。ただ、ここで仕事するのは寂しい・・・という奥さんのために、カウンター横に開口を設けて、リビングと繋がるようにしてみました。先ほど食器棚の間に開いていた開口の正体はこれ。手前の通路はWCLへの入口。

右)WCLから寝室とキッチンを見ています。左が寝室、右がキッチン方向。右手の棚のある部分がパントリーです。ここから見ると動線がよく分かります。

 

 

洗面室をリビングから見ます。配管経路確保のため床は上がっています。右手は脱衣のスペースと収納棚、奥はもともとキッチンの勝手口だったドア。こちらもアルミ製の開きの網戸が付いてましたので、木製引き戸の網戸に変更。

 

左)洗面カウンター。左側は天井までのミラーとなっていて、右手の梁下部分は収納となっています。床はサーモタイル。

右)脱衣室、浴室方向。左側は洗濯機スペース、ここは元ガスコンロのあった部分で、天井が下がっているのはキッチン換気扇の配管のため。背中はパイプスペース。

右手奥は脱衣室、その奥が浴室です。もともとワークスペース前にあった小窓は浴室の窓として生まれ変わります。窓のあるお風呂、うらやましいです・・・

 

リビング全体像。正面から見ると浴室ボックスやキッチンがリビングに斜めに挿入されているさまが分かるでしょうか・・・床の杉フローリングは浴室ボックスやキッチンと平行に張っているため、リビングの壁とは斜めに交わるような感じになります。

視線は床材の張り方向に伸びる(つまり長方形リビングの対角線)ため、廊下から入ってきた際、リビングの奥行きはより深く感じられるはずです。

 

・・・しかし、結構大掛かりに変わっているので説明が難しい・・・そして、斜めの住戸の採寸がこんなに難しいんだということを痛感しました(笑)

でも手間が掛かる分、面白いリノベーションになっています。完成が楽しみ・・・

山桜板と本棚のある珪藻土塗りの断熱改修リノベーション


吹田K邸リノベーション『山桜板と本棚のある珪藻土塗りの断熱改修リノベーション』。

工事は着々と進行中。来月20日には完成見学会予定です。良く考えたらバタバタしてて内容をほとんどご紹介せぬまま工事に入ってしまってました(Tさんすいません)。
というわけでここでおさらいを。

 

玄関。既存間取りでは廊下へダイレクトに繋がる形状でしたが、今回、廊下を最小スペースとして引き戸で区切っています。これは断熱改修にも関係するのですが、要は最も冷え込む部分をコンパクトにして分離することで、家全体の温度変化を減らす風除室のようなスペースとして考えています。

右手は全面玄関収納。狭さを緩和させるためのミラー引き戸付きです。左手にはニッチ、天板は山桜無垢。この壁面には絵を飾れるようピクチャーレールがつきます。

 

玄関から廊下に入ると、壁面全体が杉材を使った本棚となっています。ここは奥行きを15センチで取っていますので、小さめの文庫本などの収納。奥がLDK、右手は寝室、左手奥は水周りです。本棚がある部分の奥にはもともと和室が一室ありましたが、今回キッチンとWCLになっています。

左手手前が玄関への引き戸。ここで区切ることで、廊下もLDKの一部となって、水廻りや北側の部屋も温度差が少なくなります。

 

廊下見返し。リビング側から玄関方向。右端に少し見えているのがリビングのオープン棚。その横にトイレ、洗面の引き戸が並びます。廊下がリビング内に入るということは、トイレ入口もリビング内になるわけなので、扉の位置は気を使うところです。

奥の引き戸奥は書斎スペースになっています。将来的には子供部屋になるかも、という空間です。

 

サンルーム南側から廊下方向をみます。もともと南側にあったキッチンを北側に移動したのは以前の記事でもご紹介しています。ここは公社物件特有の大きな梁があり、当初は和室にしようとかいう案もありましたが結局サンルーム的な使い方をするスペースに落ち着きました。梁は下端と壁際に杉材を張ってあえてアクセントとしています。奥の右手に見えるのがリビング。

 

 

ダイニングキッチンからリビングをみます。奥の部屋はもともと独立した和室でしたが、壁を全て撤去、メインのリビング空間としました。壁面に智頭杉のうづくりパネルを使った収納を、正面の壁面は梁型を消すため半分の高さで珪藻土を塗り分けています。

ダイニングキッチン、リビング、サンルームがL字型につながる大きなリビング空間となっています。

 

北西側にある寝室。もともと洋室がありましたが結露がひどく、あまり使用されていない部屋でした。スケルトン解体して、間仕切りの位置も変更しています。奥に玄関への引き戸が見えています。右手はWCLへの入口。

左手の壁は珪藻土を窓高さで塗り分けています。ベースとなるのは真っ白の粒子の細かいものですが、アクセント部分は粒子の粗い、土壁のような色のものをくし目を入れつつ塗ってもらいます。

 

北東側の書斎スペース。先般、部分解体させてもらったところで、さすが鬼門というだけあって一番冷え込みがきつく、カビの発生がもっとも多い部屋でした。

こちらもスケルトン、断熱改修後、下地から全て変更。家に仕事を持ち帰ることの多いご主人の仕事スペースで、右のカウンターにパソコン、奥の棚はA4サイズの書類が並びます。実はちょうど反対側の壁も一面本棚になるので、相当な量・・・

まさに本棚のある家、ですね(笑)

畳スペースのあるLDK(兵庫県伊丹市のリノベーション)


昨日は伊丹Y邸マンションリノベーションのプラン打ち合わせでした。先日の見学会にも足を運んで頂いたので週末2日間を使わせてしまって申し訳ないです・・・しかも打ち合わせ時の図面とパースをお渡しするの忘れていました。Yさん、今日郵送しました・・・ぼけぼけですいません(泣)

こちらはLDKのようす。もともと3部屋に分かれていた空間をひとつにまとめています。かなり広い空間ですが、お子さんが大きくなったら一角を子供部屋として仕切る予定。左手に見えるのは畳スペース。床からイスの高さ程度上げた小上がりの空間。下部は引き出し収納がつきます。

 

LDKを反対側から。畳スペースは9つのユニットに分かれていて、それぞれ独立して動かせるようにしています。せっかく広いLDK、用途に合わせて自由にレイアウトを変えることができればいいなぁと、家具屋さんにも色々アドバイスもらいながら考えています。できれば中央のスギ柱も移動可能にしたいなぁ、と・・・それは止めといた方がいいかな・・・(笑)

今回の打ち合わせで畳スペース奥の収納とキッチン背面の収納の奥行きを統一することに。また一部オープン棚とすることになりました。

 

 

マンションながら一戸建て並みの大きさのある玄関土間。ただし上がり口は狭いため複数人での靴の脱ぎ履きは難しい。そこで土間上に45度の角度で床を追加してみました。辺の長さは1:√2で約1.4倍になります。

作り付けの下足入の上は間接照明、廊下にあった凹凸は斜め壁で消してニッチスペースに。天井には照射方向を替えられるダウンライトを入れて、正面の壁に絵を飾ってライティングできるようにしてみました。

左手はミラー張り。三角の床が映り込み、斜め壁のニッチとあいまってちょっと不思議な感覚。

 

家に仕事を持ち帰ることもあるご主人のための書斎スペース。当初はLDK内で取ることも検討したものの、寝室とWCLにある2つの窓のうち、一つがもったいないので何とか使いたい。そこでWCLと書斎スペースを一体にした空間としてみました。

最初はYさんも『収納の中ですか・・・』と少し表情が曇ってましたが(笑)、せっかくの窓はやはり有効に使おうということに。無理やりつき合ってもらっている感は否めませんが・・・

WCLの片側は服をかけるためのハンギング棚。棚でありながらハンガーパイプでもあり、強度も十分、高さも調整できる優れもので人気です。もう片方の壁には既存のクローゼットスペースを使ったスギフローリングで作った中段。布団収納になります。今回の打ち合わせでもう少し収納量を増やそう、という話になっています。

WCLへは寝室からだけでなく廊下からも入口を取っています。奥の入口から玄関が見えています。入口上部は天井高さの違いでできる垂れ壁。鴨居上を木で仕上げ、あたかも木造住宅の梁があるようなデザインとしています。

 

次回打ち合わせである程度プランが固まるかなぁ・・・要所要所で凝ってしまい、コストが少し不安ではあります・・・2月頭には見積もりが上がると思います。

もうひとつ吹田のTさんのプランニングも大詰め。こちらは冬場の結露とカビがすごいので開口部含め壁の断熱に特に力を入れたいなと思っています。

 

明日はその吹田にある日総試で遮音試験。朝が早いのでそろそろ帰らないと・・・翌日は東京Y邸のお引渡しと写真撮影。一泊して打ち上げ会!の予定でしたが引越し準備が間に合わないので日を改めることになりました。やっぱり引越しって大変ですもんね・・・

2月か3月くらいに改めて打ち上げ、お願いしますね、Yさん(笑)

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