木のマンションリフォーム・リノベーション-マスタープラン一級建築士事務所(大阪/兵庫/西宮/神戸/芦屋/宝塚)

団地リノベーションの問題点と注意点


団地リノベーションの問題点と注意点

ストックが豊富でコストも手頃な団地。そんな団地をリノベーションして木の家にしたい、というご要望は多いですが、団地ならではの問題点というのは結構あります。築年数によって大きく変わりますが、ここでは団地を木の家にリノベーションする際の問題点を挙げてみます。物件選びの参考になさってください。

 

壁式構造のため壁が動かせない

壁式構造のため壁が動かせない 壁式構造のため壁が動かせない

5階建て程度の低層が多い団地。一番のネックは壁式構造という、コンクリートの壁で構造耐力を確保している点だと思います。ほとんどの場合、部屋と部屋の間仕切り壁がコンクリートの耐力壁のため撤去できず、どうしても間取りに制限が掛かります。

ただ、これも物件によって結構違いがあり、間仕切りのほとんどが抜けない壁の場合と、比較的抜ける壁が多い場合の二種類があります。築年数が古いほどコンクリート壁の量は多い傾向があります。これはやはり、叩いて判断するのが一番です。軽い音がすれば撤去可能な木下地の壁である可能性があります。

また、水周りに関してもコンクリート壁に囲まれているケースは多いですが、特にお風呂の仕切りの壁などは耐力壁ではなく『雑壁』と呼ばれる非耐力壁の場合もあり、配管を通したり、開口を広げたりといった部分撤去は可能なこともあります(要 管理組合確認)

 

床下空間があるかどうか

床下空間があるかどうか 床下空間があるかどうか

団地ならではの問題として、天井の低さがあります。古ければ古いほど、スラブ(コンクリートの床)同士の間隔、いわゆる階高(かいだか)が小さく、取れる天井高さは限られてくるケースが多いです。

無垢の床材を使うには乾式二重床の施工が必須、10センチ程度床が上がるため、ただでさえ低い階高がさらに低くなります。また、壁式構造の梁は薄いですが高さはあるため、そこで頭を打たない高さが確保できるか、というのも問題になります。

団地によっては、床下に15センチ程度の床下空間がある場合もあり、この場合は乾式二重床をしても床高さを上げることなくリノベーションできます。畳を一枚上げてみることで大抵確認できます。

 

排水管の問題

排水管の問題 排水管の問題 排水管の問題

古い団地でもマンションでも、築30年を超えるような古い物件では、洗面や洗濯機の排水管はスラブを貫通して階下の天井裏で配管されているケースが多くなります。この下階天井裏配管の場合、水周り設備の移動は非常に難しくなります。

また、排水管のほか、給水や給湯管がスラブ上に増し打ちされたコンクリートに埋められているケースもやっかいです。この増打ちコンクリートは構造体ではないため理論的に撤去可能ですが、撤去時にスラブを傷つける可能性があること、撤去時(ハツリ)の騒音がとんでもないため、全面の撤去は難しいと考えて下さい。

その他、団地特有のものとしてトイレなどの排水縦管が露出になっているケースもよくみかけます。

 

断熱の問題

断熱の問題 断熱の問題 断熱の問題

築年数が古い団地では、壁には断熱材が全く入っていないケースも多いです。寒くない家を目指すのであれば、やはり壁の断熱は必須項目です。壁式構造は外壁面の凹凸が少ないため、断熱は
しやすいですが、内側に数センチ壁が出てくることになりますので、必然的に部屋は狭くなります。

また面積の割に窓が多いのも団地の特徴です。日射が入ることはメリットですが、熱損失ももちろん大きくなります。窓面に内窓を付ける、できれば断熱ブラインドも付けることでできるだけ窓面の熱損失を減らすことが必要です。

ただし、水周りの小窓など、内窓を付けるのが難しい窓をどうするかは一つのポイントになります。

また団地特有の鉄製の玄関ドアについては、断熱性能を向上させることが非常に難しく、私たちも悩みのタネではあります。窓面の断熱性を上げて結露を止めてしまうと、玄関ドアに結露が集中する、ということも十分考えられます。

 

浴室の問題

浴室の問題 浴室の問題 浴室の問題

古い団地やマンションではほとんど100%の確率でタイル貼りの在来工法の浴室になっています。この場合、壁が撤去できないこと、排水管が接続できないことからユニットバスの設置は難しいと考えて下さい。かなり床を上げて、洗面側の排水管に接続したりすることで設置できるケースもまれにですがあります。

タイル貼りの在来工法の浴室を、タイルを張り替えてリフォームする際は、防水に注意が必要です。古い物件では防水そのものが劣化している可能性もあり、リフォームの際は再度内部で防水処理をした方が間違いありません。

もともとユニットバスの場合は交換が可能ですが、サイズはほとんど変えられないと考えてください。

 

給湯器の問題

給湯器の問題 給湯器の問題

古い団地ではキッチンが瞬間湯沸かし器、浴室がバランス釜という組み合わせで給湯を行っているケースが多くなります。新たに給湯器を設置して、給湯をそれで補えるようにできるかどうかは、外部に給湯器を設置することが管理組合に認められるか、給湯配管を送る開口があるかどうかが問題になります。

 

換気扇の問題

換気扇の問題 換気扇の問題

団地ではキッチンの換気扇がプロペラファン(壁に四角い穴があり、そこにプロペラが付いている換気扇)の場合が多いです。プロペラファンは吸い込む力が弱く、外で強い風が吹いていると逆流したりすることもあります。また換気扇周りが汚れやすい、掃除がしにくい形状になっていることも多いです。これは大抵の場合、シロッコファンの最新の換気扇に交換することができます。

 

難易度は高い、それでも魅力的な団地リノベーション

難易度は高い、それでも魅力的な団地リノベーション

ここまで、団地リノベーションの上での主な問題点を挙げてきました。間取りが変えにくい、設備の移動が難しいなど、通常のラーメン構造のマンションに比べると、団地のリノベーションの難易度は高いといって間違いないと思います。

ただ、団地の良さはおそらく周辺環境が大きいと思います。低層で階段室型の団地は、通常のマンションに比べご近所同士のコミュニケーションが生まれやすく、また地面に近く、エレベーターを使わず生活できることは、高層マンションよりも子供にとってはいいことだと思います。

住棟同士の間隔も広いため冬の日差しがよく当たることや、緑が多いことも団地のメリット。感覚としては、高層マンションと戸建ての中間のような位置、それが団地ではないかと思います。

物件によって、または築年数によって仕様がコロコロ変わるため、プロでもなかなか見極めが難しいので、ある程度の判断は自分で行い、最後は経験豊かな建築業者さんに一緒にみてもらうことが物件選択の際は間違いないかもしれません・・・


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