無垢杉床遮音材開発、大詰め

twitterで少し書きましたが、今日は吉野の丸岡材木店さんまでスギ遮音材の打ち合わせに行ってました。国から補助金を頂いている事業、3月中旬には成果発表しないといけません。最近、時間が間に合うかと気が気じゃない状況が続いています・・・

 

開発中ですので全部はお見せできないですが、私が手に持ってるのが試作品。45センチ×90センチのパッケージになっていて、スラブ上に敷き詰めたのち、上からフローリングを施工するという形になります。

新築マンションに見られる、フニャフニャした遮音フローリングは、柔らかくすることで表面をじゅうたんのようにして、音の発生そのものを低減する仕組みで遮音構造をとっています。実際に計測してみると性能が高いのがよく分かります。ただ、踏みごたえの評判はすこぶる悪い。

床材を無垢にする場合、表面をフニャフニャにすることはできないので硬いまま、つまり発生音は大きくなる。その音を低減するのは簡単なことではない・・・この数ヶ月間、かなりの試行錯誤を繰り返してきましたが、ここにきてようやく開発の目処が付いたところです。

 

木造住宅で用いられる根太(ねだ)構造と、新築マンションに見られる乾式二重床構造。両者のいいとこ取りをしたような仕組みになっています。根太材には杉、根太の間には吸音材としてスギの樹皮とコーンスターチからできた樹皮ボードを組み込み、その上にスギの合板が組み合わさった形。床材との間には粘土質の遮音ボードを貼って施工する予定。

今回、材料は全て自然素材で作りたい、という当初の考えがあって、しかしなかなか思うような性能や強度が出ず、開発が長引いたという背景がありまして・・・少し考え方を変えて、ゴム部材をほんの少しだけ使うことで、何とか性能値は確保できそうな気配。まだまだ日本建築総合試験所での連続3回の試験が待っていますが・・・もうこれで最後です。少し寂しい気もします・・・

かなり本業に影響した数ヶ月でしたが、マンション床の遮音に関しては相当経験値を積めました。この経験はきっと活きてくると思います。

住木センターさんの補助金事業ということで、3月の東京の発表会は100名を越える方が来られるそう・・・お役人の先生がたの前で、名だたる大手メーカーさんと並んで、零細設計事務所の私がプレゼン、という絵を想像しただけで気が遠くなります・・・

私、関西弁でしか話せないんですが、大丈夫だろうか。即退場にならないことを祈ります・・・