今月は着工と提案ラッシュでずっとパソコンかじりついてますが、なかなかブログが書けない。いけません、このままでは!ということで・・・相当遅ればせながら、今週末完成見学会を開催する茨木M邸『小さなロフトと引き込み障子の小上がり和室のある家』のプランをパースでご紹介します。

完成見学会、すでにかなりお申し込み頂いてますが、まだ受付できますので、このブログをみて関心を持たれた方はぜひ。ということでいってみましょう。

 

まずはbeforeの状態から。築27年前後の大規模マンション、床面積は70平米ちょうど。この年代のマンションに多い、和室を南北に2室繋げ、その横にLDKがあるプランでした。L字キッチンというのもよく見かけますね。

 

玄関が北、水周りは北東に集まっており、北西に洋室が一室、という間取り。廊下がリビングより一段上がっているのは排水や給水経路を確保するため、ということが多いですが、今回は別段配管も通ってなくて、おそらく玄関のまたぎ高さの確保が目的でしょう。あぁ、半そで着てる、そういえば採寸はそんな時期だったなぁ・・・

 

北側の洋室。ここも廊下から一段下がっていて、カーペット敷きでした。天井も和室と水周り以外は直張り、という仕上げ。直天井の場合、照明は埋め込み配線になっているため、次の照明をどう付けて、どう配線を確保するかがいつも悩ましいところです。

 

こちら、スケルトン解体後のようす。一旦空っぽにしたのち、壁断熱、床の乾式二重床から下地を再構築していますので、断熱性能、遮音性能とも相当向上しています。ではここから完成予想のパースをみながら・・・

 

玄関入ったところ。非常にコンパクトな玄関、少しでも有効利用できるよう、上がり框は斜めに配置、片方の壁を姿見とすることで開放感を少し足してます。向かって右手が子供室、左はトイレに繋がります。

茨木I邸でも使った手ですが、壁上部はなるべくランマとして視線が抜けるよう考えています。夏場も風が通せるよう、玄関ドア内部に木製網戸を仕込むいつもの仕掛けを。玄関土間は今回、宮城県産の玄昌石という石を張って仕上げています。東北復興の一助になれば、と・・・

 

こちら、玄関横の子供室です。当面は夜勤の多いご主人の寝室でもあります。今回、面積の有効利用として、2600ミリほどの天井高さをロフトとして使い分ける手を考えました。ロフト下部はウォークインクローゼットです。

少しでも天井高さを稼ぐため、ウォークインはスラブそのまま、カーペット敷きとして10センチ床を下げています。ウォークイン内部の天井高さは190センチ弱、ロフトの高さは70センチほど確保しています。この低さがたまらなく落ち着きます。押入れの中に居る感覚に近い・・・

 

ロフトは廊下側に引戸を設けて圧迫感を緩和・・・家具のような部屋、部屋のような家具、とでも言いますか・・・正直、取り合いだらけで図面はかなり大変になります。いや、現場も・・・

子供にはとても楽しい空間では、いや大人もきっと楽しいはず・・・楽しい空間、というのは家にとって大事な要素だと私は思ってます。はい。

 

ウォークインは一部天井が高くなっていて、タンス置き場になっています。その先は寝室である和室に繋がります。建具を全て開けていくと、南北の窓が繋がる風の通路ができるというわけ。

ちなみに和室の床は基準床から30センチ、ウォークインからは40センチ上がってます。上がり口は外せるようになっていて、下部は収納として使えるようにしています。和室の押入れは床を少し浮かせて飾り床に、建具は柿渋和紙を張っています。建具上部にもランマ、これはウォークインに少しでも明かりを落とす工夫。

 

LDK、和室全景。南からみたところ。和室は障子で仕切れば寝室、障子は全て引き込めるので日中はリビングの延長として使えます。吉野杉芯去り上小節のスギ4寸柱をコーナーに立てています。カウンターキッチンは天板とエンドパネルにタモ材を使用、カウンター下は小物収納に。

 

ダイニングの壁面には作りつけカウンター。パソコンスペースと、今年から小学生になるYくんの勉強スペースでもあります。教科書とかもしまえるよう吊戸棚も設けました。今回はこのカウンター含め、キッチン背面収納も全てヒノキの巾はぎ集成材で構成しています。パースは杉っぽいですが、実物はもっと白っぽく、節もほとんどありません。

ちなみにダイニングテーブルとテレビ台もタモ材で造作しました。実物は安定のため4本脚になりました。丸テーブルはコンパクトなスペースでも邪魔しないので非常に有効です。このあたりも見学会のみどころ。

あと、南側の窓の間に収納とエアコンを設置、これは配管の問題があったためですが、梁の出っ張りでうまく納めています。窓上に木材が見えますが、これは杉床を使って窓枠を壁からせり出して、ハンガーが掛けられるように溝を掘ってあります。室内干しのためのアイデア。

 

 

キッチンの奥はパントリー、冷蔵庫や食品ストックを置けるように。そのまま洗面に繋がりますので家事動線も問題なし。洗面は天板に山桜、背面は漆和紙を張っています。ミラーキャビネットは造作です。床はサーモタイルを使用。天井には能登ヒバの羽目板を。

トイレ。決して大きくはない空間に大きなミラーで広がりを出して、ニッチのような飾り棚で奥行きを少しでも感じられるように。タンクレス便器に手洗いも設けました。便器背面の棚の間が一部収納になっています。こちらも手洗い周りは漆和紙仕上げ。

 

ということでざっとご紹介しました。こうやってみただけでも、床の高さがいろいろ、それぞれが役割を持っていて、建具やランマを介しながら、入り組みながら繋がっていくような感じ。

今回、ちょっと複雑な部分が多かったのは間違いなく・・・もちろん、空間の最大活用をしたい、という思いがあったわけですが、性能も確保して、素材も、と色々懲りすぎてしまったのは否めません。コストもそれに合わせて大きくなってしまいましたし・・・し、しかしその分、非常に遊びと深みのある家に仕上がったと思います!Mさん(笑)

ただ、70平米前後のマンションでお子さんが居られる場合のプランニング、という場面は他にも結構多くあるのではないかと。その際、平面的にモノを考えると、手詰まりするか、非常にありふれたものになっちゃってるケースは多いように思います。

そういう意味では、なかなか意欲的な物件になったのではないかと・・・ようやったぞ、俺、と褒めてやりたくなる、そんな家・・・とにかく、一人でも多くの方に完成見学会で実物を見て頂きたいなぁ、と思うのであります。ぜひ足をお運びください!

『小さなロフトと引き込み障子の小上がり和室のある家』完成見学会のお知らせ

2012年3月14日