さて、先日岡山県倉敷市のI邸古民家リフォームがお引渡しを迎えました。なぜ倉敷、なぜ古民家?という疑問をお持ちの方も多いと思うので念のため説明。そもそものきっかけは以前京都でマンションリノベーションをさせて頂いたKさんからのご依頼。ご実家の古民家の断熱も含めたリフォームをしたい、とのことでご相談いただいたわけなのです。

残された時間も少なく、設計1ヶ月、工事に2ヶ月という強行軍でしたが、OBさんのお願いとあれば一肌脱がないわけにはいきません。時間やコストのことも考え、既存の土壁や焼杉壁をそのまま活かしつつ、部分的な耐震補強も含めた1階全面の断熱改修リフォームとなりました。

結果、かなり大変だった(いや、工務店さんが一番大変だったと)わけですが、とてもいい家に仕上がりました。打ち合わせのたびに京都から帰省してくれたKさんの奥さんも本当に大変だったと思います。親孝行のいい娘さんですね。

 

お引渡しということで、私たちも朝から現場入り、蜜蝋ワックス塗りやら建具塗装やらをご家族ご親戚総出で行いました。お子さんおんぶしながらワックス塗るKさん・・・かなりお疲れだったと思います・・・

 

私はといいますと、一人ブラインドの取り付けを行っておりました。このブラインド、ただのブラインドではなくて、空気層を持ったハニカム構造・断熱ブラインドです。今回初めて使いましたが風合いはなかなかいい。しかも販売代理店になったのでかなり安く買えるようになりました。下手したらカーテンより安いかも。

それで断熱効果もあるわけなので非常にいい商品ですね。今後標準仕様にしていこうかと・・・

その後、完成写真撮影も行いました。お疲れの皆さんを外に放り出して撮影・・・ごめんなさい(汗)では何枚かご紹介。

 

リビング。もともとは土間で荷物置き場になってしまってたところを、床を上げてリビングに。壁は全て内側から断熱材ですっぽり包んでいます。床材はいつもの杉フローリングですが、戸建てですので4mの長さで作ってもらってます。天井は既存の天井をそのまま見せて、築90年近い家の醸し出す深みのある色をそのまま取り入れています。

奥はダイニングキッチン、ここは天井も壁もビニールクロスで包まれてしまってたのですが、全て撤去、キッチン部分のみ天井仕上げを新設しています。壁は全て珪藻土コテ仕上げ。黒い天井の古民家の奥に白い箱を差し込んだようなイメージです。

左手は2階への階段室。どうしても暗くなりがちな家の中心に2階窓からの光を取り込めるように壁や建具を半透明で仕上げています。神棚も新しい場所を確保。

既存の柱はほぼそのまま残し、新しい柱を合計10本ほど追加しました。古材の色と新材の色の取り合わせ、当初は塗装して合わせた方が、と悩みましたが、そのままの色を生かしてみました。なかなかいい感じです。どこが既存の柱でどこが新しいかがひと目で分かりますしね。

 

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リビング見返し。南側には土間空間を残し、玄関兼お母さんの仕事場スペースとしてあり、その土間を障子で囲むように考えました。障子にはアクリワーロンを使ってあるので、土間スペースとの熱的な区切りともなります。

既存鴨居に高さをあわせたのでかなり低めの障子ですが、その低さが重心を下げることに繋がり、とても落ち着いた空間になっています。間接照明やテレビボードの入っている部分は下屋部分で桁落ちしてあるところを使って設置しています。

しかしこの天井の色は歴史のなせる技だなぁ、と。渋いです。あえてそのままの色に残した杉材との相性もばっちり。ちょっと横長に取った吉村障子ともしっくりきます。個人的にこのアングルが一番好き。

 

土間空間はタイル張りとして、栗の幅はぎ材で作った置き家具の式台で上がってもらえるように。リビングと同じく桁落ちした下屋部分は間接照明スペースに。

以前の南側は全て掃き出し窓だったにも関わらず、常に雨戸を閉めた状態で暗かったので、防犯の意味も持たせた格子戸を外部に設けて光を中に取り込めるようにしてみました。窓はあえて床の高さに合わせて上げることで外部との区切りをつけて、部屋としての囲まれ感を少し出してます。

南側は駐車場で抜けているので、冬時期の日射はかなり奥まで入るはず。障子で仕切ることで土間空間の明るさをリビングに伝えつつ、外の寒さを中に入れない緩衝帯の役割も持たせています。

ちなみに南側サッシはアルミ樹脂のペアガラスですが、内側にハニカム構造の断熱ブラインドも仕込んであるので熱損失はかなり抑えられるよう考えました。障子のように柔らかい感じがグッドです。

 

ちなみに外から見るとこんな感じ。格子戸も古色にせずクリア塗装で仕上げて、焼杉外壁の黒とのコントラストを強調させてます。なかなかいい感じ。将来は土間スペースをギャラリーとかにもできますね。とか無責任なことを言ってみる(笑)

 

ちなみに今回から完成写真はうちのニューフェイス、D7000くんで撮ってみました。設定が全然使いこなせてないのでほぼオート設定で撮ってますが、なかなかいい絵が撮れたなと。ファインダーも明るいし、水準線も出るし、液晶も大きいので非常に撮りやすかったです。

ただ水平垂直がずれた写真が多くて・・・外付けの水準器がおかしくなってるのか、ただ慣れてないだけなのか。ちょっと練習が必要です。

 

しかし古民家って、採寸も現況押さえるのもマンションの比じゃないし、構造も心配しないといけないし、柱や梁も痩せたりたわんだりで寸法バラバラだし、と本当に大変でした・・・何とか無事に終わった、というのが正直なところ。本当にほっとしてます・・・

今回はOBのKさんのご依頼だからお受けしましたが、一元さんのご依頼は基本受けませんのであしからず・・・(笑)

何より、掛かるコストを考えると、そこまでして残す価値のある家なのかどうか、という見極めが非常に難しいです。今回のように築90年近い家で、しっかりしてるとなると、私は残すべきだと思うんですよね・・・

ということで倉敷古民家リフォームのご報告でした。いいソファとかテーブルが入るらしいので、また落ち着いたころに改めてお伺いしようと思います。お母さん、Kさん、工事を請け負って頂いたタケイさんの竹井社長、幡上さん、お疲れさまでした!

(写真は完成写真に紛れ込んだKちゃん。毎回打ち合わせ付き合ってくれてありがとうね♪)

2012年5月24日