先週末、吹田T邸の壁の部分解体を行ってきました。前回、物件調査に入った際に、外壁面のカビがかなりひどく、今回のリノベーションでは外壁面の断熱改修を予定していまして、その下地をどうするかという確認と調査のためです。

売主さんはまだ住まれているところ、めちゃくちゃ無理をお願いしています。普通は絶対イヤですよね、まだ住んでいるのに壁壊されるなんて・・・そんな無茶を快く受けて頂いた売主さんには本当に頭が上がりません。それと調査に同行してくれた現場監督さんと大工さん。ありがとうございます。

 

 

北側洋室の角部分です。クロスが浮いてしまっているのが分かります。ビニールクロスの裏側で結露を繰り返していた証拠です。この物件、角住戸で3面が外壁に面しているので、熱環境として不利なのは良く分かるのですが、なぜここまでカビがひどいのか、正直よく分かりません。

竣工図によるとスタイロフォームかなにかで断熱はされているはずですし、もっと古い物件も触ってきましたが、ここまでひどいのは初めてなのです・・・

剥がれているビニールクロスをペロッとめくってみると、その下にはこれまた多量のカビが・・・お食事中の方すいません(いないか)。

ここまでひどいとなると、考えられるのは、断熱材が入っていない、もしくは相当スキマだらけで施工されているといったところでしょうか。とにかく壁を破ってみることにします。

 

電気配線などを切ってしまわないように気を付けながらノコ目を入れ、ハンマー&手バラシで・・・

引っ込んでればいいのに、私、率先して手伝っています。そう、こういうちょっとした作業好きだから。正直、邪魔してる感じです。ごめんなさい。

石膏ボード全体が湿っているような感じがあります。そしてサクサク脆くなってるようにも思えます。

 

 

そして・・・石膏ボードの下から出てきたのは、ポリエチレンフィルムの防湿層とグラスウールです。まるで木造住宅の断熱仕様です・・・

少し解説しますと、このポリエチレンフィルムは防湿層(ベーパーバリア)と言って、室内側からの水分を壁内に入れないための役割があります。最近の高気密木造住宅でも使われている方法、当時としては珍しい(大抵、袋に入ったグラスウールが使われていることが多い)。

ただ、残念ながらフィルムはなんとなく重ね合わされているだけで、気密が取れていません。なので空気は自由に行き来できる。グラスウールも何となく入れてあるだけだし薄いので、外壁からの冷たい空気は室内に入ってくるわ、室内の湿った空気は壁内に入るわで、石膏ボードの表面だけではなく至る所で結露していたようです。冬場は連日結露祭りだったと思います・・・

 

グラスウールを取り出してみると、断熱材そのものに黒いカビが生えています。築30年くらいの木造住宅の壁の中でよく見る光景。いくら断熱していても、水分があれば外壁と室内の温度差が生じる部分では必ず結露します。

グラスウールは空気をたくさん含んだ細い繊維の集まり。それによって断熱しているわけですが、結露で濡れてしまうとその構造が仇になってなかなか乾きません。また、下地の木材部分は断熱材が途切れるため、ここも冬場は結露していたかも知れません。しかし、湿気があって、風もないところをカビは好みますので、彼らにとってはパラダイスだったはずです・・・

まぁ、ここまで悪条件でも木って腐らないんですよね。木が腐るには腐朽菌という菌の活動が必要ですが、カビと腐朽菌の活動できる環境は異なってまして、カビが生えている状態は腐らない状態なんだそうです。これはとある大学の先生の受け売り・・・

とはいえ、とりあえず今回の工事では木下地もろとも全て解体撤去することになりました。ただし、吹き付け断熱をしたいので、コンクリートに埋め込まれた木レンガという下地は残しておき、そこに新たな下地材を横向きに固定、そこに縦方向の下地を45センチ間隔で設置。その間を吹き付ける、ということに決まりました。

 

最近の木造住宅の場合、室内側で防湿層を作り、壁の中の湿気は外壁材に通気層を設けてそこから排出、という方法が一般的になっています。いわゆる外壁通気工法というやつです。

RC造のマンションは壁自体が通気しませんので、湿気を外に逃がせない。断熱性は低いのに気密性は高いという、結露のための好条件が揃った建物なんです。これを完全に防ぐには外断熱といって壁の外側で断熱する方法が一番。ただし外壁は共用部ですから、外断熱は大規模修繕でしか手の打ちようがない。

一戸単位でのリノベーションで断熱改修をするなら、気密性をいかに取るかが重要。室内の湿気が冷たい外壁に触れないようにしてやる必要があります。

ボード状の断熱材ではスキマ処理に限界があるため、今回は吹き付け断熱材で行きたい。が、ウレタン系の断熱材はフロンガスで断熱性を持たせているため、経年変化でガスが抜けると断熱性が低下するし環境にもよくない。

そこで今回はアイシネンという商品を使う予定。数年前から知ってる商品ですが、吹き付け断熱材の中では個人的に一番信頼できるものだと思います。ちょっと高いのが難点ですが・・・

 

窓サッシも全て内窓を付けて二重サッシにする予定。エコポイントもあることですし・・・

マンションでの温熱環境改善としては最善の策かと思います。問題は玄関ドアの断熱性でしょうか・・・こればっかりは上げられないので・・・

2010年3月16日