やっぱり引戸が好き

家の中で建具が受け持つ役割は大きい。
部屋を仕切る、隠す、区切るといった機能もさることながら、それぞれの空間のつながりっぷりや開放感も建具の素材や寸法次第でかなり変わる。

前に情報誌に書いたけれど、メーカー既製品の建具はリノベーションに合わない。

雰囲気やデザインもそうだけど、寸法や素材の自由度が低すぎるし、無垢の床にプリントの木目では建具がとても薄っぺらいものになっちゃう。


だから建具はいつも建具やさんに一から作ってもらうようにする。

つまり極端に言えば『なんでもできる』状態なわけで、そこで気をつけているのは『引戸にする』こと。部屋の出入り口に関しては、これでもか!ってくらい全て引戸にするべしでプランニングする。

なぜって?それは引戸が好きだから!(笑)、というのは置いといて、まぁほんとに好きなんだけども、引戸って日本人のライフスタイルに合った素晴らしい装置だと思うからです。

日本は『開放と通風』の文化で、閉鎖的なのが嫌いな人はことのほか多い。私ももちろんそうで、昔の家のように、襖や障子だけで仕切られていて、TPOに合わせて色んな形にできる可変性はマンションという空間の中でも大事にしたい。

ドアだと開けた状態の戸が邪魔になるけど、引戸は開けっ放しにしていても壁と同化してくれて邪魔にならない。とてもおりこうさん。

 

で、できるだけ全てのドアを引戸にしようとするも、引戸には大きなデメリットがあって、扉が納まるための袖壁がどうしても必要になってしまう。またスイッチやコンセントとも干渉しやすい。

マンションリノベーションでは、リビングの入口とトイレだけは泣く泣く開きドアにせざるを得ないケースが多い。まぁ、現在は特殊な金具もあって、複雑な引戸や折れ戸にしたりといったこともできるけれど、構造や動きのややこしい金物は潰れやすいし、コストも高いのであまりお勧めしない。

 

こちらは今週完成見学会を行う宝塚の家。洗面やトイレ、寝室や収納への入口として廊下には4つの引戸が並ぶ。これは全て開いてても閉まってても全く邪魔にならない。ありえないけど、もしこれが全て廊下側に開くドアだったら廊下は大混雑、万が一の火災などの避難時には大変なことに。ただ、リビングの入口だけはどうしても引戸にできなかった・・・それでも邪魔にならないよう壁を凹ませて、ドアが納まる場所を取った。

 

こちらは来週半ばから工事が始まる神戸市東灘区の家。例のごとく全て引戸を目指すも、トイレはどうしても壁が取れずドアに。ただ、リビングや洗面などへの入口は全て引戸。左が閉まっているところで、右が開いているところ。特にリビングの引戸は壁の中に引き込む引き込み戸となっていて、開けているときは建具が消えてしまう。引き込みは枠回りや建具交換時のことなど、考えないといけないことが増えるが、やはり理想的な建具の姿だと思う。

・・・ただ、建具はほんとに難しい。ややこしいことを考えすぎて、あとで図面に追われて自分で自分の首を絞めることもしばしば・・・でも、一番楽しい部分でもあるのだ~♪

 
お問い合わせ 資料請求