木のマンションリフォーム・リノベーション-マスタープラン一級建築士事務所(大阪/兵庫/西宮/神戸/芦屋/宝塚)

マンション(団地)での熱損失の検討


OMソーラーさん主催のパッシブデザインコンペの入賞作品を見ていたら、先日見学したURさんの向ヶ丘第一団地ストック実験の発表が載ってました。これが非常に興味深いので熱損失部分のみ抜き出して、先日私たちのほうでも計算したものと合わせて備忘録としてまとめ。

引用先サイト:技術・製品部門 優秀賞 『パッシブモード+装置で団地再生する』 都市再生機構+戸田建設グループ

 

■中間住戸の熱損失の検討■

上図のような28号棟(ラーメン棟)の中間住戸によって貫流熱損失を計算し、壁体等(床、壁屋根)と開口部(パッシブ装置から流れる熱の割合を示す。

マンションの場合、特に団地型の単純な積層タイプで熱損失の計算をする場合、中間階で両側に住戸がある場合の戸境壁と床、天井の熱損失をどう扱ったらいいのかなぁ、と・・・

まぁどんな方法であれ、周りの住戸もみんな快適な温度に調整しつつ生活しているわけだから(空家なら別だけど)、熱損失はないと考えてもいいのかなぁ、と思うも、そうなると極端に熱損失が小さくなる、いや、なりすぎるので気が引ける・・・

URさんの資料をみるとしっかり、『中間住戸の場合は、床、天井、戸境壁の熱損失がないとみなせるので、仕様を想定しない』とある。考え方としては、マンション全体を一つの家とすれば、1住戸は一つの部屋のようなもの、ということか。うん、すっきり。まぁ厳密に言えばきっと損失はあるんだろうけど。

ちなみに外壁の断熱仕様について、うちでいつもやっている40ミリで計算したら熱貫流率0.66だった。URさんの2パターンのちょうど真ん中くらい。

もう一つ、玄関スチールドアの熱損失が半端ない。特に壁の断熱をすればするほど存在感が増す・・・改修後2のパターンになると外壁全体の熱損失の50%近い損失がドア1枚で起こる。どうしたもんか、いつも悩むところ・・・共用部分だからなぁ。

 

さて、開口部の方も参考になる。シングルガラスのアルミサッシの場合と、私たちがいつも使ってる樹脂の内窓(ペアガラス)の差がかなりデカイことが良く分かる・・・熱損失でいうと3分の1くらいになる。

開口部に樹脂内窓のペアガラスを付けたとして、断熱仕様ごとにQ値をみてみると、

●押出法ポリスチレンフォーム25tの場合

貫流熱損失合計 66.76W/K
Q値 1.89W/㎡・K

●ビーズ法ポリスチレンフォーム75tの場合

貫流熱損失合計 50.26W/K
Q値 1.42W/㎡・K

阪神間(Ⅳ地域)の次世代省エネ基準が2.7W/㎡・K。やっぱり簡単にこんな数字が出るんだなぁ。木造戸建てでこの数値出すのは相当大変なんですよね・・・

正直、75ミリも断熱入れると狭くなるし施工も大変なので、どのあたりを狙うかが重要ですね。

 

ちなみに上のパターンに私たちのいつもの断熱仕様の熱貫流率だけ当てはめて計算してみたら、

貫流熱損失合計 58.85W/K
Q値 1.66W/㎡・K

まぁ、いいところではないかと・・・

 

色々なパターンの比較。外壁が無断熱で窓もそのままのマンションの場合、壁に25ミリの断熱材入れるだけで熱損失は46%まで下がる。樹脂ペアガラス内窓まで付けると33%と3分の1まで下がる。

で、75ミリの場合はシングルで38%、ペアで25%と。つまり無断熱のマンションと比べると4分の1。熱損失75%カットって響きはすごいなぁ・・・

ケース3。25ミリ断熱した上で窓だけでどれくらいの差がでるか。開口部に樹脂ペアガラス入れるだけで71%。確か西宮名塩のマンションが25ミリ断熱だったような。となるとあのマンションは全て内窓付けるだけで熱損失が30%減らせるわけだ・・・あくまで計算上の話だけど。

次は簡単なモデルを想定して、住戸位置の差(角住戸、1階、最上階)によって、どの程度の差が出るのか計算してみようかなと・・・時間があればですけど・・・


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