
大阪府吹田市 T邸マンションリノベーション
竣工: 2020/09
SRCラーメン構造 1999年築 76.73㎡
設計監理: 小谷和也 写真撮影: 小谷和也
施工:株式会社 藏家
吹田市の万博公園を望む場所に建つマンションのリノベーション。現状は東西向き中住戸の一般的な間取りだったが、住戸内の梁がない構造であること、東西側両方に掃き出し窓があり開放的、という特徴をうまく活かしたいと考えた。具体的には天井を全体に繋がる一枚の白い基準面とし、床高と仕上げ、低い壁によって空間が分節されつつ繋がる構成とした。
玄関は土間をポーチのように設け外部との繋がりを確保、そこから同レベルでカーペット敷の寝室に繋がる。土間からスノコを上がり住戸中央部のダークグレーの境界を越えていくことで水周りのプライベート空間へ、さらに暗い廊下を抜けると明るいリビングに抜けることができる。
寝室とリビングの間にはウォークインクローゼットを設け、同じウールカーペットでつなげている。そこから20センチ上げてダイニングキッチンという配置にすることでリビングとキッチンの目線を意図的にずらしている。旅行が好きなご夫婦に合わせた、自然素材を使ったラグジュアリーな宿泊施設のような住まいとなった。

リビングからキッチンをみる。段差は20センチあって腰掛けるのにちょうどいい。

リビングから廊下方向。天井面をフラットに仕上げ、壁上部を空けて空間を繋ぐことで広がりと採光を確保している。

リビングに設けた置き家具はテレビボード。キッチンと高さを合わせることで水平方向の広がりを出している。

グレーの壁の奥はウォークインクローゼット。建具は籐を貼った引戸としてゆるく空間を繋いでいる。

バルコニー側の窓面は障子でつないで物干し用のサンルームも確保。

ダイニングテーブルはこちらでデザインした丸テーブル。ダイニングチェアはポール・ケアホルムのPK1。カウンターチェアはアルネ・ヤコブセンのグランプリチェア。照明はポール・へニングセンのPH3/2。

玄関土間は大きなタイル張り空間。フラットにカーペット張りの寝室と繋がる。

玄関収納と土間スペース。掃き出し窓と繋ぐことでちょっとした憩いの空間になるように。奥に見えるのは浴室に設けた窓。

玄関からはスノコを介し廊下に入る。境界として設けた壁でにじり口に入っていくような効果を持たせた。

廊下右手は収納、左手はトイレや水周り。いったん暗く狭い空間に入ることでリビングの明るさや広さをより感じることができる。

ハーフユニットバスで作ったタイル張りの浴室と洗面はガラス張りとして双方の広さを補完できるように。

浴室に設けた窓を介し、土間の掃き出し窓とダイニングの窓が一直線に繋がり、風の通り道になる。

ウォークインクローゼットの籐張り建具からリビングをみる。