『小上がり畳スペースのある大空間リビングの家』兵庫県伊丹市
竣工: 2010/07
設計監理: 小谷和也 池田郁夫
写真撮影: 小谷和也
RCラーメン構造
1986年築
76.16㎡
Yさんとは2009年5月の『永く使えるものと長く暮らす無垢の家リノベーション』完成見学会にお越し頂いたのがきっかけ。実は小谷が昔設計した一戸建てに友人が住まれていて、その方からの紹介もあったことを後で知りました。
伊丹市の駅近、築24年の76平米のマンション。早速調査と測量に入らせて頂きました。玄関土間は広いけれど収納が少なかったり、細切れの間取りで角部屋の良さが活かせていない現状でしたが角部屋のため窓が多く、この窓をどう活かすかがプランのポイントでした。
Yさんのご要望は、家で仕事をされる機会の多いご主人のための書斎スペースの確保、収納量を考えたウォークインクローゼット。それと布団で寝たり畳でご飯を食べたりという、床座の生活をしたいという点。
そこで、細切れの部屋を大きくひとつに繋いでしまい、移動可能な畳の食卓スペースを確保するというプランを考えました。ただ床に畳ではキッチンで立つ人との目線が合わないので、40センチの高さの小上がりの畳スペースとして食卓を作り、下部を収納にして有効利用することとしました。
収納と書斎に関しては、空間を有効利用しつつ窓を活用するために、ウォークインクローゼットの中に書斎を取るというアイデアで確保しています。大工さんお手製の杉のちゃぶ台と畳スペースは必ず寝転びたくなる気持ちのいい空間となっています。
<after>小上がり畳スペースを中心にした大空間リビングの床座のすまい
<before>築24年、角部屋のよさが活かせていなかった細切れのマンション