武蔵新城の家

『大黒柱の小上がり和室と音楽室のある木のリノベーション』神奈川県川崎市

竣工: 2012/12

設計監理: 小谷和也 池田郁夫

写真撮影: 渡辺慎一 小谷和也

RCラーメン構造

2005年築

84.44㎡

Hさんはホームページからお問い合わせ頂いたのがきっかけ。すでに他の大手リフォーム会社さんと打ち合わせを進められていたものの、既成品の組み合わせの提案に違和感を感じられていたところだったそうです。

当時はまだ築7年、ほぼ新築といっていい状況のなか、リフォームを考えられたきっかけのひとつは床。白い合板フローリングの傷がかなり目立ち、艶もなくなりくすんできていました。同じ合板フローリングを張り替えたらまたリフォームが必要なんだろうか、無垢の床にしたい、という思いが強くなっておられたようです。

共働きでお忙しい中、OB訪問に関西までお越し頂き、尼崎Tさんちと伊丹Oさんちを一日で廻るという強行軍、実物を確認してもらいつつ、リフォーム屋さんとの打ち合わせはいったん置いておいて、とりあえずプランだけ進めてみましょう、という流れから計画はスタートしました。

現状は84㎡の一般的な間取り。閉鎖的なカウンターキッチンや収納量の不足があり、ご要望としては家族みんなで料理できるオープンカウンターのキッチン、収納も兼ねた小上がり畳の寝室が欲しいというものでした。

プランとしては、キッチンと浴室・洗面の水周りを入れ替え、ステンレスの大きなカウンターキッチンを中心にしたLDKとし、壁面は食器収納やパソコンカウンターとしてフルに活用しました。

リビングに面した小上がりの畳スペースはスギの4方無地の大黒柱を設け、床下を全て収納にできるように、またお持ちの書籍を収納できる壁面収納を設け、引戸で全て仕切れるように計画しました。

北側にはご主人の仕事スペースとお子さんの部屋、ウォークインクローゼットも2ヶ所設け、居室スペースと収納スペースを両方共確保しました。廊下からリビングに掛けて少しずつ上がっていく天井高さに間接照明も設けることで視覚的にも高さや広さを感じられるように設計しています。

珪藻土の塗り壁にスギ厚板のフローリング、造作家具を随所に配置した心地の良い木の住まいのマンションリノベーションです。

<after>ステンレスのアイランドキッチンなど造作家具が随所に配された小上がり畳スペースを持つ心地よい家

<before>ほぼ新築に近い新建材にあふれた白い空間は傷も目立ち使い勝手が悪かった