ヒノキ小幅板風羽目板講座 その1 『長手方向の継ぎ目を底目にする』

皆さんこんにちは、小谷です。このコーナーでは、私がデザインさせてもらったヒノキ小幅板風羽目板の使い方を数回に渡ってお伝えしていきます。

さてこの小幅板風羽目板、そもそもは大きな板材に溝を入れることで細い材を貼っているように見せたい、という思いから生まれています。一般的な乱貼りにすると、長手方向の継ぎ目部分で木目が切り替わり小幅に見えない、ということが起こりがち。なので長手方向の継ぎ目部分をどう処理するか、に気を付けるとより楽しんで頂けるかと思います。

ヒノキ小幅風羽目板 4本溝5枚 板目 オイル塗装 (浜崎通の家 2019)

ということで、今回ご紹介するのは、長手方向の継ぎ目を揃え、5ミリ程度の隙間を空けて貼る、底目張りです。北欧の建築家、アルヴァ・アアルトがマイレア邸やカレ邸の天井で表現した、パネル状に天井を見せる貼り方です。この事例では、長さを1000ミリ以下にして継ぎ目を揃え、5ミリの目地を入れて貼っています。

ヒノキ小幅風羽目板 3本溝4枚 板目 オイル塗装 (岐阜羽島の家 2019)

こちらは和室に使った事例です。天井の巾を三分割することで小幅板感を大事にして貼ってもらいました。底目貼りのメリットは、板の長さを短くできるのでコストが抑えられる点です。特にマンションリノベーションなどでは長物は搬入が難しいので板が短いのは大きな利点になります。もちろん貼り手間は増えるのでうまくバランスを考える必要があります。

次回は長手の継ぎ目をさらに工夫した貼り方をご紹介します。