olo(オロ)

埼玉県さいたま市 TOIVO モデルハウス 『olo』

竣工: 2020/12
RCラーメン構造 1973年築 67.60㎡
設計監理: 小谷和也 写真撮影: 塚本浩史
施工:株式会社 TOIVO

浦和の家、武蔵野の家を施工してくれた工務店、TOIVO(旧サンビック)の事務所兼モデルハウスとして設計。築50年弱の住居兼テナントをスケルトン状態まで解体、壁や天井の断熱改修、断熱サッシへの交換や遮音性能を高める二重床などを用いて住居としての性能を高めつつ、エアコン一台による全室冷暖房(東京大学 前研究室/東京都市大学 加用研究室協力)などを設置している。

toivo(希望)という社名は北欧建築旅行で体感したフィンランドの自然や建物への感動からフィンランド語で付けられた。その思いへの回答として、大きく掘られたウールカーペットの床はフィンランドの湖などの自然をイメージ、キッチンや窓を設けた浴室などを列車のように見せることで、希望とともに新しい門出を迎える工務店にふさわしいショールームとなるよう計画した。

天井には熊野杉やヒノキの小幅風羽目板。これはアアルトがマイレア邸などに好んで使った仕上げへのオマージュ。住戸の東半分は杉で高く取った天井、西半分は水周りを納めるヒノキの低い天井として天井裏には全室空調のエアコンや配管を設置。あえてコンクリート造の躯体を見せ木材を合わせることで、マンションと無垢の木を使った空間との同化を形状的に示唆した。

OLO とはフィンランド語で「居るということ」。事務所としての居心地、モデルハウスとしての居心地をフラットな状態で体感してもらえる場、という意味が込められている。