小谷です。先週の話になっちゃいますが、東京の自由学園明日館でセミナー講師をさせて頂きました。仲良くさせて頂いているアドブレインさんの主催している『工務店学舎』さんのセミナーです。お題は、伝える、ということ。何の話やねん、と思われるかもしれませんが、これ、とても重要なことなのです。
一般の方からすると、建築業界はブラックボックスだらけです。専門用語も飛び交い、難解で奥が深い。それに加え、プロとされる設計事務所さん、工務店さんは言葉足らずでプライドが高い・・・(笑)これが家造りというものを異様に難しく、ややこしくしていると私は思っています。
なので、今必要とされているのは、わかりやすい言葉で大事なことを伝えてくれる、アドバイザー的な立ち位置のプロだと思うんです。第三者的な視点で、自分の持っている知識を解説し、これから家を考える方の参考にしてもらう。そういう方が増えれば業界の風通しはもっとよくなりますし、失敗したり悩んだりする人も減るはず。そして、そういう方にはきっとちゃんとした依頼がくると思うんです。
ただいい家を作っていれば、分かってもらえる、依頼が殺到する、というのが理想なんですが、世の中はそんなに甘くない・・・悪貨が良貨を駆逐する、なんて言葉もありますが、パフォーマンスがうまい人だけが目立つことになり兼ねないのが、今という時代なんだと思うんですよね。
しっかりした仕事をするのは当たり前。その上で、自分たちの考えや価値観、スタイルはしっかりアピールしないと、分かってもらえない。悲しいけど、これって現実なのよね・・・という私なりの考えを、プロの方に向けてお話ししてきました。
思った以上によい反応を頂きましたので、また関西でやりましょう、なんて話も出ました。家造りを考えている方だけでなく、いい仕事をしている小さな工務店さんや設計事務所さんを、私なりの方法で応援していきたいな、と思っています。
そういえばちょうど1年前にもセミナーさせて頂いた自由学園 明日館。今回もあんまり中を見ている暇がなかった・・・でもやはり、いい建築ですね。こういう場所で話させて頂けるのはありがたいことです。アドブレインさん、参加者のみなさま、ありがとうございました!