天空の平屋住宅に住まう(最上階リノベーションのすすめ)

マンション最上階住戸は、屋根の形状によってはリノベーションで驚くほど開放的な空間に生まれ変わらせることができます。しかし、実際には天井裏に広大な空間が眠っていることを知らずに暮らされている方が多いのも事実です。

それは非常にもったいない!ということで、ここでは、最上階住戸の見分け方、実際のリノベーション事例、そしてリノベーション時の注意点についてお伝えしたいと思います。

まずやってみよう『あなたの家の屋根チェック』

最上階にお住まいの方にまずお勧めするのは、Googleマップの航空写真や斜めからのビューを活用し、建物の屋根形状をチェックしてみることです。実際のやり方をご紹介します。

1 googlemapを『航空写真』モードにして自宅上に移動。このままだと平面的で分かりにくいので斜めから見てみます。

2 地図の詳細を開いて、『地球表示』にチェックを入れる。こうすることで建物を斜めから見れるようになります。

3 コントロールキーを押しながら左ボタンでドラッグすると、地図の角度を自由に変えられるように。自分の部屋の屋根が戸建住宅のような斜めの屋根になっていたら勾配天井として活用できる可能性大。

ただ、屋根が勾配になっていても内部はフラットになっている場合もありますので、次は天井裏のチェック。

ユニットバスの天井にある点検口を開けます。下から押すと簡単に開きます。脚立を用意して、中を覗き込んでみましょう。

こんな感じでどーんと空間が空いていればOK。勾配天井を活かした空間を作ることができます。

最上階リノベの実際の事例紹介

覚王山の家(2021)

屋根勾配を活かして勾配天井のリビングを確保しています。部分的に屋根が低かったキッチン周りのみ低く抑えることで天井高にメリハリが生まれるように考えた事例です。

上部にロフトスペースを確保して、ご主人の居室としています。押入れの奥は機械室として全室空調のエアコンが配置されています。

貝塚の家(2016)

こちらはリビングのみ勾配天井として活かした事例。面積にも余裕があったためロフトは取らず、空間全体にゆとりを持たせる緩い勾配天井としています。

最上階リノベの注意点

最上階ならではの魅力を引き出すためには、いくつかの重要なポイントを押さえておく必要があります。

暑さ対策としての断熱改修は必須

勾配天井による開放感を得られる一方で、屋根に近い分、夏場の暑さが問題になりがちです。適切な断熱材の施工や空調計画をしっかりと考えましょう。

照明計画に工夫が必要

勾配天井にすることで高さが上がり解放感は増しますが、天井に取り付けるような照明器具は電球の交換ができないため一工夫する必要があります。交換できる位置での間接照明にしたり、フロアスタンドなどを活用した計画をしましょう。

コストの増加

ロフトの新設や天井の高さを活かした設計となるため、床や壁の施工面積が増えること、また断熱改修面積も大きくなります。そのため一般的なリノベーションに比べて費用がかかることを念頭に置いて計画を進めることが重要です。

まとめ

最上階住戸の特性を活かしたリノベーションは、まさに「天空の平屋」とも呼べる快適な空間を生み出します。ご自宅の屋根形状を確認し、可能性を見極めた上で、ぜひご自身のリノベーション計画に役立ててみてください。