『漆喰壁と杉床のあるリノベーション』兵庫県宝塚市
竣工: 2009/03
設計監理: 小谷和也 池田郁夫
写真撮影: 小谷和也
RC壁式構造
1981年築
76.89㎡
宝塚駅の山手、勾配はあれど駅に近い便利な場所にある低層マンション。分譲貸しの部屋に住まれていた施主さんから、『同じマンション内で出た売り物件を購入することになりました』と連絡を頂き、現地調査を行ったのは2008年の秋。利便性がありながら自然豊か、低層で各戸の独立性の高い住まい、内部もきれいに使われていた。
打ち合わせが始まった頃、長女がおたふく風邪になってしまい、奥さんから『
水疱瘡以外はウイルスをいただきたいです。予案外世の中には予防接種よりも病気で免疫付けたい人が多かったりします・・・』と言われて笑ってしまった。自然な生活がポリシーのご夫婦と幼い二人の娘さんの4人家族が暮らせる住まいを考えることになった。
壁式構造のため主要な壁は抜けず、またリビングや廊下には段差がある、和室二室が繋がった典型的な3LDK。リビングはできる限り一室空間とし、一角を引戸で仕切り、ゆくゆく子供スペースとして使えるよう、また細切れになっていた収納をまとめウォークインとし、キッチンを壁付けからカウンターに変更。洗面も2ボウルのカウンタータイプに変更することに。
転勤で以前住まれていた高知県の杉材を使いたいと産地のご指名まで頂き、『しっくいを自分たちで塗る』セルフ塗り壁にも挑戦。うちの子供たちと歳が近いお子さんたちをはじめ、家族みんなの思い入れがたくさん詰まった土佐杉と漆喰の優しい住まいとなった。
<after>土佐杉、漆喰。日本の伝統ある素材を使い、シンプルで機能的な家に。
<before>80平米弱、和室2室が繋がった典型的な3LDK、築30年の家。