本多聞の家

『杉床とコルクタイルを使った団地断熱リノベーション』兵庫県神戸市垂水区

竣工: 2012/07

設計監理: 小谷和也 池田郁夫

写真撮影: 小谷和也

RC壁式構造

1976年築

79.13㎡

ホームページで資料請求頂いたのがきっかけだったNさん。賃貸住まいしているのと同じ団地の分譲を購入しようとしているとのことで物件見学にお伺いしました。

神戸の垂水や須磨、明石などに大量に建っている団地のなかで、Nさんの物件は天井高さや梁高さは低いものの、和室の部分は床下に空間があるため床の高さを上げずに杉床が施工できる恵まれた状況。また団地特有の壁式構造ながら、比較的住戸中央部が抜ける構造だったため、比較的大空間を作れる状況でもありました。

ただ壁は無断熱、窓も非常に多く、壁にカビが生えている状況で、断熱改修は必須、また水周りは下階天井裏配管のため、触れる部分はかなり限定されました。水周り位置を工夫しつつ、性能をいかに確保するかがリノベーションのポイントになりました。

水周りは洗面台と洗濯機の位置を変えてカウンタータイプの造作洗面に、床を上げることで配管経路を確保しています。洗面台のミラーと窓が重なる部分にはミラー建具を設けることで使い勝手を両立しています。

抜ける壁は全て取り払い、壁には全て断熱材、窓には全てペアガラスの内窓を施工。もともと和室だった部分は乾式二重床で杉床を施工、それ以外の部分はコンクリートが増し打ちされていたためコルクタイルで床を仕上げました。

瞬間湯沸器だったキッチンは管理組合の承認のもとバルコニーにガス給湯器を新設。キッチンも造作キッチンとして造り付けています。LDKの一角に設けられたワークカウンターにはお持ちの本が納まる本棚を設置。寝室のみ新しく畳を敷き、引戸で仕切れるようにし、それ以外は大きなワンルーム空間とした、すっきりとした木の団地リノベーションとなりました。

<after>断熱改修で快適なコルクタイルと杉床、珪藻土を使った団地の木のリノベーション

<before>無断熱で窓も多く壁にはカビ。いかにもという続きの和室があった団地物件