木のフラットシーリングカバー

木のフラットシーリングカバー

デザイン:小谷和也(マスタープラン/小谷和也設計室)
製造販売:藏堂

ダイニングテーブルに設置するペンダントライト。特に最近は北欧の照明がブーム、様々な照明を設置されている事例を見かけます。そんな高価で納期も掛かるペンダント照明ですが、ずっと気になっていたのが、天井のコンセントとの接続部分を隠すために付属しているプラスチックのカバー。

賃貸住宅なら致し方ないものの、これがチープな上に大きく、経年変化で破損したり、黄色くなってきたりします。せっかく高価で素敵なデザインの照明も、あのプラスチックカバーでは興ざめだな、とずっと前から考えていました。

そういった声も多いのか、純正品としてフラットに設置できるカバーも売っているのですが、一度配線を切らないと設置できないため電気屋さんの工事が必要。また白や黒といったものしかなく、木の天井に付けると余計に目立つのが悩みでした。

また天井高に合わせてコード長さを指定するのが結構難しい。実際にテーブルを置いて調整しないと最適な高さは判断しづらく、かといって納期も掛かるので発注は早めにしたい。お気に入りの照明、できればコードは切らずに購入、高さの調整が現場でできて、将来的に違う場所でも使えるようにしたい。

『フラットに納まる』
『木の天井にも合う』
『コード長さ調整もできる』

という3つの問題を解決するために、何度も試作品を作りつつ考えたのが木のフラットシーリングカバーです。

木のフラットシーリングカバーは、木の家に合う無垢材で作りました。コードを切る必要がないように、半円を合わせて丸にする仕組みを取り入れています。半円であることをあえてデザインとし、濃い目の樹種で繋ぎ目にラインを入れています。

設置のため天井に直径100ミリの穴を開けておき、天井裏に設けた引掛けコンセントに照明を接続。あとはバネの力で天井に吸い付くようにフラットに固定されます。

コード長さは付属のアジャスターを使い天井裏で細かい調整が可能。樹種もブラックチェリーやメイプル、国産材の杉やヒノキのほか、今後順次増やしていく予定です。

せっかくの木の空間に、プラスチックのカバーは合わないな・・・と思われていた工務店はじめ建築関係の方、お気に入りの照明の根本問題で悩まれている施主さんにぜひお使い頂ければと思います。