吉野材木市その他見学(2011年10月)

 

昨日に引き続き、今日は池ちゃんとみなみちゃん、丸岡材木の社長とイケメン岡本くんと共に吉野の杉やヒノキの丸太が並ぶ原木市を見に行ってきました。

いつも吉野に行くときは雨が多いんですが、今日は一日晴れでした。よかった。そういえば台風での被害はこのあたりはあまりなかったようですが、少し上がった川上村では国道が土砂崩れして通行止めになっているとか・・・やはりこのあたりは雨が多い地域なんですよね・・・

 

今回は200年生以上の大径木も並ぶ記念市とのことですごく期待してましたが・・・その期待を大きく上回る杉の巨木たちがずらり・・・直径90センチ近いものもありました。しかしこの写真では大きさが分かりにくいな。横に並んで撮ればよかった・・・

 

『林野庁長官賞』と書かれたこちらが今日の目玉商品。最も太く、赤身が綺麗で、目も細かく詰まっていました。うん、これでもやはり大きさ分かりにくい(笑)

 

そうこうしてる間に競りが始まりました!競り人が競りをする丸太に乗っかりながら競りが進みます。昨日の銘木市の競りでは買い手が付かず流れるものがほとんどでしたが、基本、丸太は必ず誰かが落とすんですね。昨日今日の比較ができて面白い・・・ちなみにリズムの良さでは銘木市の競り人さんに一票入れておきます。

 

 

競りは細い丸太から順に行っていくんですが、競りが進むにつれ、人も増えてきて、また丸太が大きくなって見通しが悪くなり、丸太の上に立っている人が多くなってきました。これは体験しとかないと、と私も乗ってみました・・・たまに転がりそうになるやつもあって、結構怖い・・・しかしこれでようやく丸太の大きさが分かるでしょうか・・・

ちなみに今回、ヒノキの最高金額が一本300万円近く、杉は200万円超のものがありました・・・すごい世界を見せて頂きました。

 

昼食後、午後からは別の場所で行われている原木市も見せてもらいました。見渡す限りスギやヒノキの丸太だらけ・・・いやはや、原木市って面白い。銘木市と共にこちらも通おうと心に誓いました。なんか材木屋さんみたいになってきた・・・(笑)

 

昼食後、空き時間にヒノキや広葉樹などを薄くスライスしたものを扱う丸商店さんの工場を見学させてもらったり・・・これはなかなか面白かった。特に広葉樹の突き板になる前の1~3ミリ前後のものとか、ヒノキをスライスする工程とか・・・

突き板張り産業は吉野林業の一つの文化でもあります。和室用の化粧柱とか造作材とかは、集成材の心材にヒノキの薄板を貼り付けて作られています。節のない綺麗なヒノキやスギをそのまま使うよりも有効利用できるんですね。

心材にもヒノキの集成材使っているものもあって、こうなると完全に国産集成材なわけ。ここには何かしらのヒントが詰まっている気がしました。

 

次は今日の原木市でも大きなヒノキを何本も競り落としていた、ヒノキ専門の坂本商店さんの倉庫を見せてもらいました・・・こちら、主に寺社仏閣にヒノキを卸されているそうで、すんごい材料がすんごいストックされてました。ここまでヒノキだけに囲まれた経験も初めて。うん、ヒノキについての引き出しもふやさないといけないなと。もっとうまく活用したいなぁ。

 

いやはや、色んなものを見せてもらって、吉野林業って木に関わるたくさんの業種によって支えられているんだなと実感・・・しかし、年々製材業者は減っているそうです。今までのやり方だけではいくらブランドのある吉野材でも難しいということ。吉野だけでなく、日本の林業全体がイノベーションを求められています。

右の写真は丸岡さんとこの岡本くんと坂本さんの息子さん、こういう若手がこれからの吉野の林業を支えていくわけです。私も町側の作り手として、微力ながら何か力になりたいなぁ、と山に行くたび常に思います。

 

最後に阪口製材所さんの吉野サロンを見学させて頂けました!予定になかったのですがラッキーでした。設計はMOKスクールなんかでもお世話になっている建築家の三澤さんです。こじんまりしながらすごく落ち着く空間でした。やはり巧いです。池ちゃんと一緒に納まりやディティールばっかり見てしまいました・・・阪口さん、ありがとうございました。

 

ということで今回の吉野遠征は終了・・・帰りに道の駅で野菜や果物やら植物やら買いこんで帰って来ました。いつものコースです(笑)来月も丸岡さんとこに取材で伺う予定にしています。岡本くん、動画撮影もあるらしいのでよろしく!