門戸厄神の家

西宮K邸マンションリノベーション

『コルクタイルとブビンガの造作家具のある断熱リフォーム』

竣工: 2013/07
設計監理: 小谷和也 池田郁夫
写真撮影: 小谷和也
RCラーメン構造
1977年築
66.30㎡

西宮市の築37年、66平米のほぼ正方形の角部屋のリノベーションです。Kさんはホームページからお問い合わせ頂いたのち、大阪都島のOさんの見学会にご家族で参加して頂き、計画がスタートしました。

現状は無断熱、床はカーペット貼り、和室が二室連なる典型的な3LDKの間取り。部屋が細切れになっていることで使いづらく、また中学生になる娘さんの部屋を確保したい、壁付けで食器収納を配置しにくいキッチンや少ない収納量、老朽化の進む水回りのリニューアルが主なご要望でした。

スケルトン状態まで解体後、無断熱だった壁面に全て断熱材を設置、窓も全てペアガラスの内窓を設ける断熱改修をベースに、間取りは大きく変更。玄関から廊下に続くルートのほかに、シューズクロークを介してウォークインに続く2ウェイ動線を確保しました。

北側の変形した隅角を活かし、細長い子供室を確保し、残りを大きなLDKスペースとして構築。子供室は壁上部をガラスに、建具も光を通す仕上げとして開放感を損なわないようにしながら採光も確保しています。勉強机も造作で設けました。

住戸中央の一番暗くなる場所にウォークインクローゼットを設け、回遊できる動線を確保しています。ウォークインは壁を天井まで立ち上げずに、ライトシェルフとして間接照明を設置、光源を全く見せずにリビング全体を照らす照明計画としました。

キッチンは壁付けタイプから対面カウンター式に変更。食器収納やパントリー棚も造り付けました。玄関のベンチなども含め天板にはブビンガの無垢材を採用して色と木目のコントラストを際立たせています。

定番仕様の造作キッチンや造作洗面台、さりげなく塗り分けた珪藻土塗りの壁、風通しを確保するためにsetbackして設けた玄関の造作網戸など、コンパクトな中に小さな工夫をたくさん詰め込んだ機能的で優しい木の家となっています。

<after>複数の回遊動線とシューズクローク、造作網戸や照明計画も考慮したブビンガを使った木の家

<before>築37年、66平米の角部屋マンション。部屋数は多いが行き止まりだらけの間取り。