長野遠征その2(ペレットストーブと小さなモデルハウス見学)

長野遠征のご報告その2です。竹村工業さんの見学後、近所のお店でうまいうなぎをご馳走になりまして、いやぁ、本当に旨かった。写真撮るのわすれちゃったけど・・・竹村さん、ありがとうございました!

と、お腹もいっぱいになって少し眠くなりつつ、次の目的地に向かいます。外はようやく雨が上がりましたが、南アルプスは雲に隠れなかなか姿を見せてくれず・・・

 

ということで次にお伺いしたのは近藤鉄工さんという鉄工所。ペレットストーブを見せてもらうためにやってきました。事前に連絡していたんですが、見学は工場のほうで、ということで。しかし行ってみたら本当に鉄工所という感じの工場。溶接の火花バチバチで、お邪魔するのをためらわれるくらいの感じ・・・

で、早速ペレットストーブの実物を見ながら説明を受けました。ちょうど出荷待ちの完成したてのストーブが並んでました。黒くてマットなスチールの質感がなんともかわいい・・・汽車っぽいよな。

 

ここでペレットストーブについて少し説明。ペレットとは木材の残材などをチップ化したものを押し固めたもので、これを燃料に暖房を行うのがペレットストーブ、というわけです。写真左と中央がペレット。で、これマンション改修と関係ないんじゃないか、という話なんですが、実はFF式という排気と給気を機械的に行う形式のペレットストーブであれば、マンションでも設置できる可能性があるんです(要管理組合相談)

現在マンションリノベーション打ち合わせ中のお客さんから以前に『薪ストーブを入れたい』という要望がありまして、マンションなんで無理です、と・・・で、色々調べたところFF式ペレットストーブという手があるらしいことを知り、とにかく実物見に行こうという話になりまして。

電力について色々問われている昨今、ペレットのようなバイオマスエネルギーを用いた暖房をマンションでもできるなら、面白いなぁ・・・ということで調べにきたというわけです。

 

  

説明してくれたおいちゃんが面白いものを見せてくれました。この茶色いペレット、コーヒーがらを混ぜたペレット。おいちゃんが自分で作ってるそうで、色々研究してるそうです。コーヒーがらって廃棄物としてすごくたくさん出るんだって。確かにコーヒーのニオイがする・・・

 

 

で、早速燃やしてもらいました。この真夏にわざわざ・・・と思うでしょうが、この日の長野はかなり涼しく、22度とかしかなくて。かといってストーブがいるほど寒いわけではないけど、猛暑の大阪で燃やすよりは幾分マシな気が・・・(笑)

それと、一番気になってたのは煙やニオイがどの程度でるのか、だったので、どうしても燃やしてるところを見せてもらわないと。

ストーブは後ろ側がペレットを入れるタンクになっていて、ここに13キロだったかな?くらい入るらしい。10キロで一袋で売ってることが多いので、これくらい入らないとペレットの置き場に困るわな・・・

ちなみにこのストーブ、3月に使ったきり火を入れてないそうで、しかもペレットは先ほどのコーヒーペレットが入れっぱなしになってました。おいちゃん、若干湿気ているかも・・・ということでちゃんと点くのか見守る・・・

 

 

スイッチ入れると、着火ヒーターが赤熱、ペレットが自動でコロコロ落ちてきて火の粉が少し上がる。そのうち、内部は煙でもくもく、全く中が見えない。窓を開けて外をみたら、結構煙出てる・・・そして野焼きしてるかのようなニオイがそこらじゅう漂う・・・これはマンションでは無理かな・・・と少し思う(笑)

 

その後3分ほどで着火。ボッ、という音と共に煙が一瞬で炎に切り替わる感じ。あぁ、きれい。やっぱり炎はいいなぁ、としばし見入る・・・いったん火が点くともう煙は出ないしニオイもなくなる。なるほどな、点いてしまえば問題はなさそうだけど。輻射熱で体全体があったまる感じ。さすがに汗が止まりません・・・(笑)

ちなみに下面や側面は二重構造で断熱されているため、フローリングに直接設置しても問題ないらしい。上部のみ200度とかになるらしく、ヤカンを置いてお湯沸かしたり、シチューコトコト煮たりするのに使えるそう。ふむふむ。

その他、施工時にどんなことが必要か、色々突っ込んで聞いてみる。外壁に直径150ミリ程度の穴が開いている必要があること、その外側に特殊なガラリが必要なこと、着火から3分ほどは煙とニオイが出る(今回は久しぶりの着火とペレットの状態が良くなかったので煙は多いかも、とのこと)。

う~ん、結論からいうと、都市部の立て込んでるところでは一戸建てでも煙やニオイで苦情になることもあるらしいので、普通のマンションではなかなか難しいだろうという感じ。ただ、スライド状に建っている少し郊外のマンションとかなら了解さえ取れればいけるんじゃないかなぁ、と。

一度やってみたいのはやまやまだけど、とりあえずこの状況をお客さんに報告、少し時間を掛けて検討しようということに。

 

 

そしてそして、最後は杉野建築店さんのモデルハウスを見せて頂きました。設計は建築家、伊礼智さん。私の尊敬する建築家。日本で一番巧い住宅作家さんではないかと私は思っています。

このモデルハウス、建坪7.5坪、述べ床でも15坪しかないんです。この広さ、想像できます?普通はできないよね。前々からどうしてもこのボリューム感を実物で体感したい、という思いがありまして、facebookで知り合いにならせて頂いた杉野さんに無理を言って見学させてもらいました。

 

高さの使い方(天井・建具・開口・床高)、視線や目線の抜けや操作、色使いや素材感。あまり詳しく書くのはあれなので割愛しますが、全て勉強になることばかり・・・

何と言うか、小さいのに贅沢な空間というか、贅沢っていうのは高い素材を使うとかではなくて、当たり前の素材を寸法含めちゃんと吟味した、豊かといったほうがしっくりくる、そんな感じ。家は面積の広さや天井の高さで豊かになるわけじゃないってことが誰にでも分かってもらえる家なんではないかと・・・子供が小さい今のうちの5人家族でも十分住めるなと思ったもの・・・

杉野さんとも長らく話し込んでしまいました・・・お忙しいのに貴重なお時間をありがとうございました!

帰って写真をみたらディテールの写真ばっかりで・・・(笑)

というわけで、ここからまた5時間掛けて西宮に帰ってきたのでした・・・しかしとても得るものの多い長野遠征でした。

次の日は疲れで一日ぼけ~っしてたけど・・・そろそろ無理が利かなくなってきたな、次は一泊して行こうと思います・・・(笑)