木のマンションリフォーム・リノベーション-マスタープラン一級建築士事務所(大阪/兵庫/西宮/神戸/芦屋/宝塚)

マンションとウッドデッキ(杉黒芯を使ったスノコ式置きデッキ)


西宮名塩K邸。スノコ式置きウッドデッキ。杉の黒芯材を利用。置いてあるだけなので簡単に移動できる。

西宮名塩K邸。スノコ式置きウッドデッキ。杉の黒芯材を利用。置いてあるだけなので簡単に移動できる。

『マンションでウッドデッキ』と聞いてもピンと来ないかもしれません。ウッドデッキといえば、戸建て住宅の庭に設置されているイメージが強いですよね。ただ、マンションでもウッドデッキを実現することはできます。むしろ、戸建てよりもバルコニーの奥行きなどは広いケースが多く、快適な空間を確保しやすかったりします。

ここでは非常にご要望の多い、マンションでのウッドデッキのメリットやデメリット、設置の注意点などを事例を交えながらご紹介していきます。

 

マンションのウッドデッキって?

杉の黒芯ウッドデッキ 杉の黒芯ウッドデッキ

設計のご相談をお受けするなかでウッドデッキを求められる方は多く、私たちもよくご提案をさせて頂いています。バルコニーの一角に設けたり、全面に設けたり、ルーフバルコニーに縁側のように設けたり、とバリエーションは様々です。

使う材料としては、床材に使っているのと同じく杉材を使用します。ただ外部で使うものですので、雨風や日光にさらされても劣化しにくいように、杉の黒芯、という部分のみを加工してもらって使っています。杉の普通の部分よりも腐りなどに強いのが特徴です。写真をみてもらうとかなり黒っぽい色であることが分かります。

 

バルコニーが快適な空間になる

大阪都島O邸。マンションはバルコニーの奥行きがある場合が多いので結構なスペースを確保することができる。

大阪都島O邸。マンションはバルコニーの奥行きがある場合が多いので結構なスペースを確保することができる。

ウッドデッキ設置の最も大きなメリットは、バルコニーを快適な居住空間として使えるようになることです。そのままでも使えるじゃん、と思われるかもしれませんが、防水シートやコンクリートそのままのバルコニーは、足の裏が汚れるためスリッパやサンダルなどの履物が必須になります。

ウッドデッキを敷くと素足でもバルコニーに出られるようになるため、サンダルなどの履物を履く、という行為が不要になります。単純な話なんですが、面倒な行為が一つ減るだけでバルコニーに出る回数って増えるんです。

特にお子さんの場合はこの傾向が顕著です。高層階だったり、お子さんが小さいうちはなかなか外で遊ばせにくいため、目の届く外遊びスペースとして非常に重宝します。また春先などはテーブルセットを持ちだして外ごはん、なんてのも気軽にできるようになります。

OBさんの中には夏にテント張って子どもとアウトドア気分で寝たよ、なんて話もお聞きしたりして、戸建ての庭のウッドデッキよりも近隣の視線を受けにくいので色んなことをしやすい、というのはあるかもしれません(笑)

 

ウッドデッキ、実は室内にもメリットが

↑神戸兵庫区Y邸。室内の床とウッドデッキの床高さを揃えることで視線が外まで伸び、室内が広がったように感じる。 ↑神戸兵庫区Y邸。室内の床とウッドデッキの床高さを揃えることで視線が外まで伸び、室内が広がったように感じる。

神戸兵庫区Y邸。室内の床とウッドデッキの床高さを揃えることで視線が外まで伸び、室内が広がったように感じる。

私たちがご提案するウッドデッキは『室内の床とウッドデッキの高さを揃えること』を基本としています。なぜなら、ウッドデッキを設置することで『バルコニーを室内に取り込んでしまおう』、という目的があるからです。

これも単純な話なのですが、床の高さを揃えることで出入りがしやすくなるのはもちろん、視線が外に繋がるためにバルコニーが室内の延長空間のように感じられ、視覚的に広がりと奥行きがでますので、部屋が広くなったように感じられるようになります。

特にマンションは面積が限られた空間です。どうせなら室外も取り込んでしまって、なるべく広さを感じられるようにしたいものですし、ちょっとした工夫で広さの感覚はかなり変わります。

 

こんなバルコニーもウッドデッキで活かせる

出入りが面倒 出入りが面倒 出入りが面倒

ここで事例をいくつかご紹介。まずは窓のまたぎが高い場合。ここはもともと窓が20センチ近く床から上がっており、出入りするにはこの段差をまたぐ必要がありました。出入りが面倒なこともあり、せっかくの広いルーフバルコニーがほとんど使われない空間になっていました。

子供たちの格好の遊び場 子供たちの格好の遊び場

そこで、室内側にはテレビボード兼用のステップを窓枠と同じ高さで設置、ウッドデッキも同じ高さで縁側のように設けました。

こうすることで出入りが非常にラクにできるようになり、またウッドデッキの段差はちょっと腰掛けるベンチ替わりにもなるので、腰掛けてひなたぼっこ、といったバルコニーに出た際の居場所にもなります。何より子供たちの格好の遊び場になっているようです。<西宮名塩K邸>

 


50センチ近いまたぎがあった 50センチ近いまたぎがあった 50センチ近いまたぎがあった

こちらは窓のまたぎがさらに高い場合。ここでは50センチ近いまたぎがあったため、せっかく専用庭状態だったバルコニーが物置を置いてあるだけのスペースになってしまっていました。

これは非常にもったいない!もったいないことが嫌いな私たちとしては(笑)、何とか解決法がないか頭を悩ませました。

 

窓とフラットに 窓とフラットに

で、思いついたのがこちら。室内側はちょうど寝室だったので、マットレスだけを置いてもらうようにして部屋全体の床を上げちゃおう、という大胆なものです。

基本は20センチ、さらに窓際のみさらに20センチ上げることで、乾式二重床の10センチと合わせて50センチで窓とフラットにすることができました。マットレスを載せると床とちょうどフラットに、部屋全体がベッド、という状態です。

ウッドデッキも脚を長くすることで室内の床に合わせ、出入りしやすいように配慮しました。ベッドに寝転んだ状態でバルコニーを見ると床がすうっと続いていく感じ。観葉植物とか読書用のリクライニングチェアとか置いたらいい感じになりそう。これからの可能性を秘めたウッドデッキです。<大阪都島 O邸>

 


 30センチほどあり、昇り降りがかなりハード 30センチほどあり、昇り降りがかなりハード

こちらは室内の段差はないけれど、外の段差が大きい場合。ここでは窓枠からバルコニーのコンクリート床まで30センチほどあり、昇り降りがかなりハード。せっかくのルーフバルコニーも降りるのが大変だとまず使わなくなります。戸建ての掃き出し窓から庭に降りる段差の感じですね。

結構こういうバルコニーの方って居られるんじゃないでしょうか・・・

 

縁側のようなウッドデッキ 縁側のようなウッドデッキ

ここでは縁側のような奥行きのウッドデッキを室内の床に合わせてL字型に設置。こうすることで出入りがラクになるのはもちろん、バルコニーからはちょうど椅子の座面に近い高さになるため腰掛けやすくなります。

バルコニーにテーブルを置けばウッドデッキはベンチとして活躍、かなりの人数が座れるので楽しそう。バーベキューとか盛り上がりそうです。<西宮名塩 M邸>

 

マンションでのウッドデッキ設置の注意点

スノコ式置きウッドデッキ スノコ式置きウッドデッキ

さて、ここまでマンションのバルコニーでのウッドデッキ事例を色々ご紹介してきましたが、もちろんデメリットもあります。

まず、木材である以上、傷んだりすることもあるということ。特に雨や日差しがよく当たる部分は色落ちや毛羽立ちが起きやすいです。

ただマンションの場合、上部に屋根があるケースが多いので雨や日光が当たりにくく、ふきっさらしの場所よりも劣化は著しくゆるやかになります。私たちも屋根がある部分以外にはあまりご提案しないようにしています。

ちなみに、板の裏側に空気層を取って通気できるようにして、湿気が溜まらないように、また表面にも雨が溜まらないようにだけ配慮しておけば、まず腐ったりということはありません。

また色落ちは木材である以上避けられませんが、塗装をマメにすることでかなり防ぐことができます。ただシルバーに色落ちしたウッドデッキも自然な姿でまた良いものだと私たちは思います。

そして、マンションのバルコニーは共用部分であることを忘れてはいけません。つまり、何かをボンドで固定したり、ネジで留めたりすることはできません。また、バルコニーの防水は15年程度でやり替える必要があるため、その際は簡単に撤去できる構造である必要があります。

ですので、置くだけのスノコ状に作り、何枚かに分割して持ち運びできる重さにしておきます。デッキ用の材木の中にはイペやウリンといった鉄のように重い材料もあり、こうなると持ち運びは非常に大変になりますので注意しましょう。スギは非常に軽いのでお勧めです。

また、床が上がることで転落などの心配がないように配慮すること、下部はホコリやゴミが溜まりやすいので清掃のこと、ガタツキなどによる騒音などについても考えておく必要があります。

 

東京三鷹I邸。L字のコーナー窓と床を揃えて家の中からも外からも見えるようにすると外と内の認識が曖昧になって面白い。

東京三鷹I邸。L字のコーナー窓と床を揃えて家の中からも外からも見えるようにすると外と内の認識が曖昧になって面白い。

さて、こういった点にさえ注意すれば、マンションでのウッドデッキはバルコニーを半屋外の居室空間に変えてくれる大きな魅力を持っています。

特に春から秋に掛けての季節は読書をしたり、お茶を飲むといったちょっとしたことが生活をとても豊かなものに変えてくれます。高層階の場合は蚊や虫も少なく、近隣からの視線もあまり受けないケースが多く、戸建ての庭にあるウッドデッキよりも使い道は多彩といえるかもしれません。まさに使い方は人それぞれ。

ぜひみなさんもマンションでのウッドデッキ生活を楽しんでみてください!


PAGETOP
Powered by WordPress & BizVektor Theme by Vektor,Inc. technology.