造作ソファ・小下がり畳の間とウッドデッキのある家(兵庫県神戸市)
Yさんのお住まいインタビューです(2014/05/24)
2012/12竣工 RCラーメン構造 2003年築 75.42㎡
『もともとマンションは好きではなかった、それをいかに好きにして変えられるかということから考え出した』
●中古マンションを購入して、リノベーションされたんですよね。新築じゃなくてリノベーションを選んだ理由を教えて下さい。
(奥さん)もともとは一戸建てを建てたかったんですが、まあ、もろもろの事情でマンションになって・・・この辺りは土地が狭いし高いですし。
(ご主人)どうしてもこの辺りがいい、というのがあって。
● 場所が優先、ということだったんですね。
(奥さん)そう。実家もすぐそこなので、何かとお世話になることが多くて。で、賃貸は落ち着かないので分譲で。
● 新築マンションは考えられなかったんですか?
(奥さん)全く。新築マンションは絶対イヤでした。
● どうしてですか?
(奥さん)んー、何もかもがいや(笑)
● ええっ、分かるけど……珍しいですね
(奥さん)まずフローリング、あのフワフワしたフローリング「モドキ」が私はすごく嫌で。それと、なんとなく既成品が嫌いで。 そもそもマンションって自由度が低いじゃないですか。前住んでいた社宅(団地)では自分で棚を作ったり自由にしていたので、いきなり出来上がりをポン、と渡されて何千万も支払うのは嫌でした。
(ご主人)どうせ何かしら手を加えるなら新品の必要性はないやろうしって中古で。
● 最初は部分リフォームも考えられていましたよね?
(奥さん)床だけやる、といっていたのは予算の話があって。最初は出せるとしたら、まあ、高級車一台分くらいかな、なんてぼんやり思ってました。
(ご主人)こういうリノベーションというものがあることを全く知らなかったので、床だけとか、ちょちょいと直すだけでいいやんって思ってたけど、色々聞かせてもらっていると、やはりちゃんとしないと、と。
● OB訪問とか見学会に来てもらっているうちに、この形になっていましたね。
(奥さん)マンションだけで何千万するからそれにプラス、リノベーションにあまりお金をかけるというのは考えてなかったんです。 考えてなかったけど、そうやって色々見せてもらって、やっぱりやるなら全部やりたいねって。
あと、部分リフォームをされた方のお話を聞かせてもらって、後で『やっぱり全部やったらよかった』ってよく言われるという話も聞いて。 半分リフォームして半分やってないとなるとそこで格差がすごくわかってしまうって聞いたのが大きかったです。
● 後からやろうと思ってもなかなか難しいですからね・・・
●リノベーションをする時に何から始めましたか?
(奥さん)まずフローリングを変えたかったっていうのがあったのでインターネットで、「フローリング マンション」って検索しました。 マンションはそんなに好きではなかったので、それをいかに好きな風に変えられるか、という考え方で探しました。
● 無垢材というところには初めから興味があったんですか?
(奥さん)そう、木がいいって。もともと無垢材が好きでした。
●マスタープランに依頼をしようと思った決め手は?
(奥さん)何件かは他にも見たんですよ。でもマンション専門ってのがあったし、ホームページ見た感じが良かったんですよね。
(ご主人)フローリングの話を聞いた時に、こんなに色々な種類があるというのと、遮音の問題を実験されたりしていて、これはすごいな、と思って。
● あれは辛かったですけどね・・・むちゃくちゃ重たい材を運んで、ね。でも本当、遮音の知識はその分自信を持ってますし、うちの強みだと思います。
(奥さん)そうそう、フローリングの直張りがダメだってのも書いてあったよね。 上の階に住んでいる人で無垢を直張りをしているところがあるらしくて。工事が始まるときの張り紙をぱっと見て、あぁ直張りやなって分かる書き方をしてあったから、これで大丈夫なのかなーって 思いながら。それでしばらくもめてたみたいで、また最近、防音シート貼りますっていう工事の張り紙がありました。でも、その後に下の人に聞いたら全然騒音は変わってないって。
● 変わらないですよ。小さいお子さんがいるんですかね?
(奥さん)んー、家族構成は分からないですけど、噂で聞いて。で、うちもリフォームしてるっていう話になって、音のこともちゃんと考えてやってもらってるからーって。
● 直貼りか、怖いですね・・・本当に音が筒抜けになりますからね。
(奥さん)遮音のことについてその業者に教えておいてあげてーって言われています(笑)
● もう専門家ですもんね(笑)次何かあったら助けてあげてください!
(奥さん)でもこんなに分厚い床板を使っているとは最初は思ってなかったです。
● これの15mmっていうのがあるんですけど、歩いた時に分かるんですよ。薄いなって。
(奥さん)このしっかり感がすごくいいなって、OB訪問で見せてもらった時に思って。
● 遮音にも厚みによる剛性の強さっていうのは効果があるので。30mm。
●リノベーションに対して不安はありませんでしたか?
(奥さん)不安・・・予算!(笑)全く未知の世界だったので。新築だったら大体これくらいって分かるんですけどリフォームって・・・ それと、物件とリフォーム両方でローンを組むと分けなくちゃいけないとかで。
● 一緒に買うと担保になるものが無くなっちゃうのでね。
(奥さん)なんせ最初は高級車一台分くらいのつもりだったから(笑)
( 小谷 ) その最初の予算ってどういったところから調べられたんですか?
(奥さん)なんとなくです。私たちの場合は物件も買っているので、それにプラス、リフォームっていうのでトータルでの金額を考えましたね。ローンとか家賃を払うって感覚が実家住まいだったので無くてそれが分からなくて。毎月お金を払い続けていくのってどうなんだろうって。 で、大体車を買うくらいのお金、数百万円ぐらいってみんな安心な金額なんだと思うんですよ。それぐらいやったら自分たちにも買えるんじゃないかという心理だと思うんです。
● なるほどです。
(奥さん)でも良いものを手に入れるために、それ相応の対価を払うことは当たり前というか。見積もりを出して頂いて、OB訪問で見せてもらったあの家が手に入るんやったら、 頑張って働こうかって(笑)
( 小谷 ) このマンションもまだ築10年で新しいし、外から見たらほぼ新築マンションみたいなもんですし、物件自体も高いですよね。
(ご主人)もっと古いマンションを安く買えば安くはできたんですけど・・・ でも新築マンションをこの辺りで買うのと、物件、リフォームとトータルでの費用を比べるとどっこいどっこいになりましたしね。
(奥さん)共有部分とのギャップがありすぎるのもどうかなーと思ってて、これぐらいが程よいかなーと。 でも古いものに抵抗があるわけじゃないんですけどね。
( 小谷 ) 前の社宅、すごかったですもん(笑)
(奥さん)昭和40年築とかだったかな?全部の部屋が畳で、キッチンも脱衣所も一緒で、収納が無いから自分でなんでも作って。
( 小谷 ) どんだけ棚が作るんやって思いました(笑)
(奥さん)押入れしか収納が無くて、既成の家具なんか置くとスペースが無いし本当ぎりぎりのラインで(笑)
● 今でもDIY好きはちゃんと受け継がれているんですね(笑)
(ご主人)テレビ台もあの時作ったものを復活させたんです。
● おぉ、あの色あの色!
(奥さん)今思えば色塗らんでよかったかなぁ…
● でもお持ちの民芸家具と雰囲気ぴったり。かっこいいですね。 やっぱりDIYがお好きだから家づくりにも抵抗みたいなものは無かったんですね。
(奥さん)むしろ作ってみたかったんです、家を。
● 設計事務所に頼むことに抵抗はなかったんですか?
(奥さん)あったあった(笑)設計事務所っていうだけで贅沢している感じになるし、別に料金がいるんやなって。 ただ大手の会社とか工務店に頼んでもその費用が中に入っているだけっていうのがやっていくうちに分かってきました。知らないうちはそこでつまずくと思います。 それと遮音のこともたくさん書かれていたし、マンションって下手なことできないなってのが分かったから。後はインスピレーションもあるかな。
( 小谷 ) で、来たのはこんな二人でしたね(笑)
(奥さん)こんなにフランクな感じやし、しかも家まで来てくれるって(笑)
( 小谷 ) メロン頂きましたね。
(奥さん)夏でしたもんね。
●打合せの雰囲気や説明方法はどうでしたか?
(奥さん)本当、話しやすいなって(笑)
( 小谷 ) そこだけは自信ありますからね(笑)
(奥さん)しばらく打ち合わせなんかでも付き合いはあるし、終わってからその後のこともありますしね。すごく面倒見てくれそうな感じでした。
(ご主人)打ち合わせが進んだ時に出してくれた立体のパースとかもすごくわかりやすくて。 これをずっと見させてもらうのがすごく楽しかった。穴開けたり棚の位置を下げたりってのがすぐ出来て。
● どうしても平面図だけで打ち合わせをするとなかなかイメージしづらくて、これが出てくると皆さんリノベーション始めるんだって イメージが湧くらしいですね。
( 小谷 ) やっぱ大事ですね。
(奥さん)あんなタンスの置き場まで作ってもらってね。
● 結構カツカツでしたね(笑)
(奥さん)それと図面とかパースも資料として製本してまとめてもらえるのも嬉しかった!これうちやんって(笑)
( 小谷 ) 製本ももっとちゃんとせなあかんね(笑)
● 打ち合わせをしている中で疑問だったり分かりにくかったところはなかったですか?
(奥さん)あったらすぐ聞けるし、無かったかな。
●打合せ中から工事中、お引渡しまでに楽しかったことは?
(奥さん)ずっと楽しかったな。
● J君はなにが楽しかった?
(奥さん)彼はマスタープランの事務所に行くのが一番楽しかったらしい(笑)
(ご主人)僕も事務所で話している時が一番楽しかったな。
(奥さん)うん、出来上がっていく過程が楽しかった。
(ご主人)着工してからは案外早くて、見に行く暇もあんまりなかったしね。
(奥さん)うん、もっとゆっくり見たかった。
● 現場打ち合わせも何回かはやりましたけど、やっぱりとびとびでしたしね。何回か夜に見に来られていませんでした?
(奥さん)何回かは。でももう養生されてて、ああ見えへんなって。
● 杉床はね。すぐ養生しないとですからね。
●逆に苦労した点はありますか?
(奥さん)施主支給!!
● 皆さん言われます(笑)働きながらってのもあるし、結構高額な買い物ですしね・・・
(奥さん)迷うしねぇ。なんやろ。コレで、っていわれるのも嫌やけど、あんまりにも数が多くて、どれ!?って。
● 僕もそれ感じてて、あの、いつまでに、あの、頼んで、あの・・・って感じで(笑)
(奥さん)デザインならこれやけど機能で選んだらこれ……って。疲れてきたら余計に判断力無くなってきて・・・
● キッチン水栓もだいぶ悩まれていましたよね。
(奥さん)あの形が絶対よかったんですけど、巡り合うまで時間がかかったんかな。
● ショールームでは見てなかったんでしたっけ?
(奥さん)見てないんです、お風呂とトイレだけで。で、後から水栓も選ばなあかんのやった!って。 OB訪問で見たのがあんな感じだったかなーって感じで探して。でもあの形にも種類色々ありますし・・・
● ネットで買うのは抵抗無かったですか?
(奥さん)もともとよく使っていたし、比較がしやすいので。ただその時パソコンしかなくて、今でこそiPadとかスマホがあるからちょっとした時間に見たりも できるけど、それができなくて。打ち合わせのデータも送ってくれるけど仕事帰ってからパソコンでってなるとなかなかしんどくて。明日にしよーってなっちゃってました。 けどすごくタイムリーに話もできてありがたかったですけどね。こっちが見れなくて申し訳なかったけど。ただ施主支給は早く言ってほしかった。
● 最近はショールームの時点で言うようにしています(笑)
● 本当、よく言われるなー。
(奥さん)いや、でもコストダウンのためですから、よく考えてくれてるなって思います。ありがたかったです。
『どんどん作り足していくことコンセプトの住まい、いろんな工夫やDIYがたくさん。』
●ライフスタイル含めて、以前と大きく変わったことはありますか?
(奥さん)掃除がしやすくなった。普通の家だったらそうだったのかもしれないけど、あの社宅がね、特殊だったし(笑) 洗面所の横にちょっと拭くタオルを置いたりとか、お掃除道具を置く場所が無かったので、気持ちよく過ごさせてもらっています。
(ご主人)あんまりないなぁ・・・すごく良くなったっているんですけど何が大きく変わったとかはないかなぁ・・・
(奥さん)キッチンが使いやすい!
● 社宅のときはね、通路兼キッチンみたいな感じでしたもんね(笑)
(奥さん)置くとこなかったですもんね。
(ご主人)あれはあれでやってきたけど、確かに脱衣所とキッチンが一緒だし狭かったね。
● ザ・団地って感じでしたね。配管も全部見えてましたしね。
(奥さん)それが普通やと思ってたからね。あれはあれで狭ささえ解決できたらよかったんやろうけど・・・この生活を知ったら戻れないよね(笑)
● 温熱環境はどうですか?
(ご主人)冬は本当にあったかい!別格であったかくなってます。夏は、エアコンをもともと我慢するタイプで……僕は使いたいけど、使わないっていうから……。
(奥さん)どうしても無理!って時だけここだけ動かして、二人で布団持って行って。私は小上がりで寝てますけど。
( 小谷 ) いつもこんなに風が通ってます?
(奥さん)今日が特に入ってますね。良い風が入ってる。
(ご主人)夏、休みの時は玄関の戸を開けて風を流してます。
(奥さん)うん、本当に冬は暖かい。あと木の温度差があるのは初めて知りました。杉ってあったかい。全然違う。 実家も木造なので板の間があるんですけど、冷たいんです。
( 小谷 ) 床下も冷たい空気がビュービュー吹いてますからね。マンションって下の階の人が温めてくれてくれているし・・・
(奥さん)でも前の社宅は5階でも底冷えしてましたよ。
● ・・・(笑)
(奥さん)なぜか冷たいし、夏は灼熱。最上階やから、夕方4時くらいからもう・・・
● でも景色は良かったですよね
(奥さん)そう、すっごく良かった。それだけはここは残念。社宅はもうすぐそこが山だったから。
(ご主人)ちょうど今の時期、緑がきれいになっているから通勤の電車で全面緑が見えて。
(奥さん)住環境は本当良かった。
● だいぶ山手というか・・・
(奥さん)いや、あれは山の中ですね(笑)
(ご主人)でも自分の家の後ろにお寺の塔とか見えててよかったよね。
● ええええっ、いいなぁー!
(ご主人)よかったら社宅に(笑)
● 私、夏ぜんっぜんダメなんですが・・・いけますかね。
(奥さん)エアコン効きませんよ(笑)でもこのマンションがその環境の中にあったらよかったのにね。
● でもここだってすっごく上手に緑が育ってるじゃないですかー
● バルコニーね、マンションのバルコニーでこれだけ楽しめるのはいいなぁ。やっぱりお気に入りの場所ですか?
(ご主人)ここはもう、すごくいいです。
● よくごろごろしたり、遊んでおられますか?
(ご主人)夏はここにでっかいプール出したり、テント張って寝たり。
(奥さん)この広さはやっぱりいいですね。
● あ、あれ何!?あのイス・・・
(奥さん)IKEAのイスです。
(ご主人)夏になったらもうちょっと前に持ってきてね。ずっとここで本読んで過ごします。あとはビールとか飲んでね。
● うわぁー!幸せ……。
● ウッドデッキはやってよかったですね。
(奥さん)広く見えるし、植木も映えますもんね。部屋とバルコニーの段差が無くなったのもいいです。この繋がり感が。
(ご主人)あ、この散水栓って他の家にもよくあるんですか?
( 小谷 ) いや、なかなか無いですね。 ●もともとあったのは良かったですよね。よく欲しいって言われるんですがなかなか外に持っていくのって難しくて。
(奥さん)無いと本当、水やりが大変。
(ご主人)前の家でもプールをするのに、長いホースを繋いで繋いでしてたし・・・
( 小谷 ) 排水も大変ですしね。
●この流れでお家の中を少しうろうろさせて頂きます!あのベンチはどういった使い方をされるんですか?
(奥さん)ここ?……ここは背もたれを下ろすと広くなるんです。
● わぁ(笑)
(奥さん)で、こうやって寝転べるの。クッションがあって。
(ご主人)これ、OGUMAさんと言っていたんですが、引き出しを引っ張って板でも置ければベッドになるなって。
(奥さん)すごい楽しそうに話聞いてくれましたよ。
● めっちゃ想像できる(笑)みなさん、どこで一番くつろいだりされているんですか?
(ご主人)みんなバラバラですね。僕はここにいたりもするし、息子はあっちで遊んでることが多いし、
(奥さん)私は立ってる。
● なんか分かる(笑)
(奥さん)みんなが寝静まったらベンチでくつろいだりね。
● お母さん忙しいですね・・・
●ではキッチンは?
● 収納はどうですか?
(奥さん)棚板頼んだんですよ。一段増やして大体うまくいってる。あ、それでキャビネットを作ってもらって……。
● これiei studioの永田さんのですね!
(ご主人)これが使いやすいんですよ。
● これが前と比べると・・・
(奥さん)全然違いますよ!
● 立ってたら後ろ通れないしね。
(奥さん)開けたりもスムーズにできるし、程よい広さですね。
●このワークスペースは?
(奥さん)ここは拡張しました。ついこの間はここを一段増やしました。机の上に物を置くと狭くなるので。
● ここは、奥さんのスペース?
(ご主人)そうなりつつある感じです・・・
(奥さん)彼も使ってますよ。
● そのキャスター付きの台はどうしたんですか?
(奥さん)これはカウンター用にもらっていた材料。カウンターは断念したのでどうしようかと思って。 それでプリンター置くところに作りました。でもプリンターを載せて動かすと重たくてへこんじゃうから移動したんですけど。 これ床と同じ材ですよね。まだ綺麗な状態です。
● これもかわいい!
(奥さん)引き出しが欲しいっていったら作ってくれて。深さだけ指定してね。
●ご主人のスペースは?
(ご主人)漫画置き場とトイレのフィギュア置き場。
● 男が一番喜ぶやつ(笑)
( 小谷 ) ちょっと漫画も一冊選んでもらって。
(ご主人)どれにしようかなー♪
(奥さん)それ?
( 小谷 ) これでしょう。
(ご主人)ガンダマーです。この間……(以下略)
( 小谷 ) それ親父が……(以下略)で、トイレはというと……
● すごーい!
( 小谷 ) フィギュア並んでますねー
(ご主人)これは全部缶コーヒーとかについているおまけのおもちゃで、高いものは買わないようにしてます。 最近の悩みは缶コーヒーにおまけがつかなくなったところです。
● そう言えばそうかも。
(ご主人)フィギュア棚は他でもされているところがあるんですか?
( 小谷 ) 今度西宮でやりますよ。その方はウルトラマンです。むっちゃありますからね。これを参考に同じように扉をつけてます。
●お風呂がヒバなんですよね?
( 小谷 ) めっちゃ綺麗ですね。ちょっとくらい変色してるのかと思いきや。
● 何か気にされているんですか?
(奥さん)全くしてない!そんな日々気にする余裕はないです(笑)
● わ、まだヒバのにおいがするー!
(奥さん)うそ、する?杉のにおいも全然分からなくて。
● 杉のにおいは僕らもマヒしてきたんですけど、ヒバもそうなるんですね。
(奥さん)人が来たら「すごい木のにおいするー!」って言われるんですけどね。
● 実際Yさんにも木のにおいついてますよ(笑)
(奥さん)あ、でもここの木の面にバスタオルかけるんですけど、それが良いにおいします!
● ここ最初普通の壁だったのが、ヒバが余ったから張ったんですよね。よかったですね。
(奥さん)本当、お風呂はやってよかった。ただのユニットとは違いますね。これ、初の試みでした?
● 当時の僕ら的にはドキドキで(笑)水漏れとかの心配はしていませんでしたけど、この中でカビが生えたりとかしないのかなって。 換気扇ちゃんとまわしてます?
(奥さん)24時間換気があるので。
(ご主人)あとこの水切りのやつね。
(奥さん)そう、これ結構いいんですよ。これで水を毎日切ってからあがるようにしてます。意外と習慣にしちゃうと逆にやらないと気になるくらいで。
● ビルの清掃でおじさんがやってるみたいにね。
(奥さん)なかなか水切れがいいんですよ!色もかわいいし!
● お風呂の木はやっぱり焼けにくいですか?
(奥さん)いや、もっと白かった。境目が分からないくらいの色で、本当綺麗に納めてもらってるし。
● 洗面所の床はどうですか?最近よく洗面所も杉の床にすることが多いんですけど、みんな結構水回りに杉ってどうなんだろうという声が多くて。
(奥さん)ここはそんな気にしたことないけどなー。
(ご主人)杉床にするとカビとかが出るかもってこと?
● そうそう。あ、バスマットはどうされてます?
(奥さん)じゃじゃじゃん!
● おお、ちゃんと掛けてもらえると安心ですね。使ったバスマットをひきっぱなしにしていてカビが生えるってことはあったんですよ。
(奥さん)うーん、それは嫌やな。絶対使ったらここにかけるようにしてます。
● 洗面は、僕は杉床の方が、お風呂からあがってきた時にサラッとしてて気持ちいいし。
(奥さん)冬も冷たくないしね。部屋からの切り替えもなくて良いと思う。どっちかっていうとキッチンの方が気になってました。
● 最終ね、削れば大丈夫ですね(笑)
(ご主人)30年後にじゃあ、フローリングを全面削ってってこともできるんですか?
● できます。オービタルサンダーっていうのがあってね。
(奥さん)でもせっかく飴色になってきたのがもったいないね。キズは最初はすごく気になってい嫌だったんですけど、 まあ、だんだん気にならなくなりましたし。
●ウォークインは?
(奥さん)え、ウォークできるかな・・・完成見学会の時はこの辺り何もなかったから、このスペースすっごくいい感じって思っていたんですけどね。
● ちょっと吊るしてお洋服かけて、靴なんか並べてってね(笑)
(奥さん)大分捨てたんですけどねー。このキャビネットを一段ずつくらい減らそうと思っていたんですけど。
● 収納はあったらあった分だけ増えますもんね。 私も、畳んでしまう服をどれだけ減らせるかって思っていたんですが、全く無理でこんな感じの収納も買いました。
● ここに家族全員の洋服がおさまっている感じですか?
(奥さん)子どもの服が大分向こうに出てきてますけど。子ども用のハンガーラックを買いまして。
● 前のお家ではどこにしまってあったんですか?
(奥さん)押入れ。押入れに棒を渡して。あともう一個は洋服ダンスがあったから。
●やっぱ押入れって収納量はすごくあるんだな。ウォークインは寒くないですか?北面で窓もあって。
(奥さん)気にならないですね。
● このウォークインが北側にあることでリビングに冷気が伝わりにくくなっていると思うんですよね。
(奥さん)そう。それとこの二重窓もすごいですね。音も冷気も全然分からない。リビングの方は出入りするので2回も開け閉めするの嫌やなって思って シングルにしたんです。断熱を考えるとした方が良かったんでしょうけど、面倒くさがりなんで。
● 結露はしたことないんですか?
(奥さん)ないです。暖房もかけないですしね。
● Yファミリーはなかなかのエコファミリーですからね(笑)
● 山に住んでいらっしゃいましたもんね(笑)
(奥さん)暑い時は汗かく、寒い時は着る!その方が落ち着きます。家電をずっとまわしているより。
● 奥の扉はどうしています?
(奥さん)ほとんど開けてます。風通しもいいし。たまにお友達来たときはあそこから顔出して「おーい」ってやってます(笑)
● 壁のよごれとかって気になります?
(奥さん)子どもの手あかがやっぱりね、この高さは。でも直せると思ったらまあいいか、ってなります。 こういうところ、ボコって削れた時はどうしたらいいんですか?
● それは珪藻土の粉をつけて水で濡らしてもらったら。そうしたメンテナンス講座もちゃんと開きたいんですよねー。
( 小谷 ) そういえば珪藻土塗りの時、お父さんも来てくれたよね。
(奥さん)こんなこともめったになかろう、と。
( 小谷 ) みんな作業着着て塗ってましたもん。
● 珪藻土塗もなかなか面白いですよね。
(奥さん)もともと物作るのが好きだしね。そういえばうちでは珪藻土塗の時、手形の話出なかったですよね。
● なんでせんかったんやろ?職人さんも言いださなかったですよね。何かに追われてたのかな……?
(奥さん)ちょうど年末の忙しい時だったしね。
( 小谷 ) そう、Yさんちの見学会でね、僕がクリスマスだからってトナカイのかぶり物してる写真をこいつら、誕生日のケーキの似顔絵に使いやがったんです(笑) またリアルやから気持ち悪かったし・・・
●こうしておけばよかった、というところはありますか?
(ご主人)細かいこと言うと、コンセントはなるべくたくさんつけた方が。
● 大事大事(笑)
(奥さん)もともとあるやつを使って下さっているんですよね。
● そう、そこに足していく感じですね。
(奥さん)つけたいところがあったら言って下さいねって言われていたんですけど、なかなかそこで暮らしているイメージがわかなかったので。
● コンセントとスイッチはなかなかイメージ通りにばっちり決められないですよね。
(奥さん)ここにあったら良かった!ってのはたまにあります。
(ご主人)だからそういうのは意識して多めにしてもいいかなと思います。
(奥さん)すっきりしてくればしてくるほどコードとか余分なものを出したくなくて気になってしまって。 でも、ちょうど配線の話になった時に増やせますよーと聞いていて、あっという間に工事が進んでいっちゃってそのままって感じで。
● それに施主支給もあって忙しいですしね・・・始まったら早いですもんね。他もっとこうしておけばよかったところはありますか?
(奥さん)もともと、おいおい作っていこうというコンセプトの中で棚とかも自分たちで付けていったけど、 壁から出てる棚というかシェルフみたいなものは後からは追加できないよ、ということは最初に教えてもらえたらよかったですね。 あと、始まったら割とはやいよっていうのは言ってあげたらいいんじゃないかと思います。
● 特に共働きだったからスピードはさらに早く感じたんじゃないかと思います。
(奥さん)最初、やろうかなどうしようかなって時は大分ゆっくりできていたんですけどね。年末に向けてどんどん忙しくなっていって。
● 引き渡しも年末でね。
(ご主人)引越は正月休みにって。
● 大変(笑)
(奥さん)それが安かったんですよ。同じことをするのに年末と年始で倍ぐらい値段が違うなんて。
『家を自分たちで考えていくことにハードルを感じている人もいる。設計事務所のイメージを変えて、もっと幅広く木の家を知ってほしい。』
●では今からリフォームを始める人にこういったところ気をつけた方がいいよ、というアドバイス何かいただけますか?
(ご主人)湿気とかは感じないから珪藻土はいいなと思いますね。
(奥さん)においも気にならないよね。
● においの効果は本当にありますね。湿気は、珪藻土もだけど、どんだけ出さずにどんだけ排出するかという暮らしによるところがあるんですよね。 Yさんのお家が24時間換気をしているというのは良いと思いますよ。
(奥さん)やっぱ付けた方がいいんですか。
● はい。それで結露は止まるし、ただ冬は寒いですけどね。
(奥さん)寒さは大丈夫。うちは極端かもしれませんけれど、せっかくこういった家に住むんだから冷暖房に頼らず生活していきたいですね。
(ご主人)あとウッドデッキは絶対やった方がいいと思います。これやらないと損するくらい。
● 本当、私も欲しい。
●今後のマスタープランに望むことはありますか?
(ご主人)マスタープランマンションを作ったらいいなって思うんです(笑)
● それできたらいいなぁ
(奥さん)みんなに薦めたいんですよね。あと一級建築士事務所っていう敷居の高さみたいなものを変えてほしいかな。 せっかく良いものなのでみんなに知ってほしい。
● ずっと勤めていると分からなくなってくるんですが、まだまだ認知されていないですよね。
(奥さん)かまえちゃうもん、建築士事務所って聞いただけで。付き合ってみたら全然そんなことないですけど。それが知らない人には伝わりにくいので。
(ご主人)めっちゃお金かかるやん、みたいなね。それなりにコストはかかるけど、かかった分の良いものが作ってもらえるから。
● 僕らは住宅のデザインもするし、もうひとつコストもデザインしなくちゃいけないんで。それはメーカーさんとかよりは上手じゃないとやっていけないので。
(ご主人)全部の費用をばーって説明してくれるじゃないですか。あれはすごかった(笑)
(奥さん)あの見積もりはすごいなって思った。この扉いらんってなったらなんぼ金額下がるとかが一目でわかって、なんて明瞭会計なんだろうって(笑)
● あれで一番大変なのは工務店さんなんですけどね(笑)
(ご主人)買う側からしたら、この枠ひとつでいくらや!ってところまでしっかり分かっているのがよかったです。
● 企業さんによっては一式で、どの部分にどのくらいお金がかかっているのか分からないこともありますからね。ひらっちゃんも見積もりを理解するまでは結構大変やで。
● 私今から乗り越えていかなきゃなんですね(笑)
(ご主人)あとはもっと別の角度の次元で提供できそうな気がする。今やっていること以上のことがまだまだ出来そうな会社だなって。何か無いかな。
● うーん、そうですね……。僕はもっとコストを落として、部分リフォームでも何かできないかなって思っています。無垢材でリフォームをしたくてもコストの関係で 直張りフローリングしか選べない、なんてことは悲しいことなので。部分リフォームだと今やっている二重床で床のレベルを上げるのが段差を作ってしまうことになってしまって難しくなってくるので、 二重床にしなくても無垢材の床をつかえる方法はないかな、と・・・難しいですね。
(ご主人)部分リフォームでも効果が出るフローリングを開発したいですね。
(奥さん)楽しそう。大変そうだけど。そういった色んな問題ことがあるっていうのをマンションに住んでいる人に広く広く教えてあげてほしいですね。
(ご主人)いやぁ、やっぱマスタープランマンションやわ。
(奥さん)こういった空間がすごく落ち着くし好きだけど、めんどくさいって人がいたんです。雰囲気ではこれが欲しいけど、打ち合わせしたり考えたりするのが無理だって。
● 最初っからこうだったらいいのにってことね。
(奥さん)やりたいけど、まず建築士事務所っていう壁があり、色んな事を考えていかなくちゃいけないことが、私たちみたいに好きな人でも疲れてしまう場面があるくらいだから。 ちょっとしたモデルプランみたいなものがあってもいいのかなって気はするな。
● 日本人ってやっぱりそういうのが好きなんですよね。
(奥さん)そう、今は打ち合わせをじっくりして一からつくっていくって感じで、明確にこういったものが欲しい!とか目標ある人にはいいと思うんだけど、 自分たちで決めていかなきゃいけないことにハードルを感じている人がいると思うんです。確かに施主支給みたいにありすぎると迷うしね(笑)明確なモデルをつくってその中から選ばせてあげるようにしてもいいかなって。
● 実際、家づくり自体に興味がある人ってまだまだごく一部ですし。
(ご主人)メーカーの名前だけで、何でできているかもわからない家に何千万って払って家買いましたってのがまだまだ普通ですもんね。
(奥さん)あんまり疑問も持たずに言われたからやりましたって人がほとんどで、なんかもったいなって。そうした人にも良いものを知ってもらえるようにしてもらえたらいいのかなって思います。
● そうですよね。いやぁー、考えさせられるな。
Yさん、お休みのところお付き合い頂きありがとうございます。自分たちの手でどんどん作り足していくお家、とっても素敵でびっくりしました。木の家を住みこなすだけではなく、無垢の木を使いこなして上手に付き合っておられる素敵なお家、まだまだ進化中ですね!とっても楽しみです。またよかったら、お家の様子を拝見させて下さい。今後とも宜しくお願い致します!