建築屋のリノベーション

今日は工務店業界紙の新建ハウジングさんの取材。一般の方が読む本ではないので宣伝?にはなりませんが、プロ向け専門誌に興味を持ってもらえるのは個人的にはかなりうれしい(笑)

記者のKちゃん(若い女性なのでちゃん付けで)と話込むこと5時間・・・『よくそれだけ話すことありますね』とスタッフに突っ込まれる(笑)

建築屋が二人集まれば不況の話になる、ということわざがあるくらい(?)、今の建築業界は強烈な冬を迎えています。あの会社が?というところまで倒産し始めている。

そんな中、既存の建物を活かすリノベーションは重要な事業になると、建築業界の人はみな思っている。
けれど、実際はどうかというと、店舗の内装屋さん、リフォーム専門業者さん、そして不動産やさんの独壇場になっている。建築業者(工務店)さんはどちらかというと『遠巻きに』見ている状態。

しっかりとした技術を持った工務店さんで、リノベーションに必死に取り組んでいる会社は少ない。それが悲しい、と。もっと建築技術を持った会社が、真剣に取り組まないことには業界の底上げやリノベーションの質の向上にはならない、という話で盛り上がりました。どんな内容で掲載されるのか楽しみ。

 

・・・日本において、リフォーム工事はまだまだ法規制が甘い。工事だって『建設業者登録』がなくてもいいので、いわば誰でもできる。近頃はホームセンターまで参入している始末・・・何でもありの世界。

そこで『リノベーションって一体何なんだろう』と考えてみる。壁や天井を剥がして剥き出しにして、ペンキで白く塗るDIY的なものとか、ちょっと間取りを変えて、ただ新築みたくきれいにするだけのものもある。既存の建物に新しい価値を作り出すのがリノベーションなんだから、色んなカタチがあっていい。

でも、リノベーションだって『建築』なんだから、質を下げてはいけない。質、とは『素材』や『デザイン』だけでなく、『施工』の質もある。人が住むことのない店舗と同じ感覚で、何年も暮らす家を作るのは、建築業者として賛成できない・・・せっかく世界一の建築技術を持った国なんだから、そこをないがしろにしていいものか。

だから、工事は木造住宅をしっかり作っている工務店さんにお願いしたい、細かいところで大工の技を魅せられるものにしたい、と常々思う。

コストは上がるかもしれないけど、それが本当の『家づくり』じゃないか・・・なんてちょっと偉そうすぎますか(笑)