雨の吉野(杉遮音床材開発打ち合わせ)

今日は朝から奈良 吉野で杉遮音床材の打ち合わせをしてきました。22日に今年最後の試験測定が迫っていますので材料の段取りやら仕様の確定やら大忙しです。工務店さんと丸岡材木さんとどうすれば遮音性能を確保できるか、構造的に安定させられるのか、製品として作りやすいか議論です。

吉野は雨・・・山には霧が掛かっています・・・雨はイヤですけど、素敵な風景でした。山に来ると癒されます・・・(無駄にハイビジョン撮影だったりしますので下のHDボタンを押してね)↓

 

マンションの床遮音材に関しては、色々なメーカーから色んな商品が出ています。中にはどんな床材でも遮音性能が取れる、というすごいものもあります。もちろん、そういう商品が良いに越したことはないんですが、厳密に言うと、表面に張るフローリングの樹種や厚みによって、遮音性能はとても影響を受けるんです。これは前回の徳島での試験で身を持って体感しました。

で、実際に胸を張って『この遮音材はLL-45等級が取れます!』というためには、JIS認定のきびし~い試験をパスしないといけません。この試験、表面に使うフローリングの仕様までひっくるめてしか受けることができません。なのでどんなフローリングでも遮音性能を取れる遮音材、というのは実は物理的に難しかったり・・・厳密に言えば、の話ですけどね。

今回は私たちの『無垢杉特注幅広フローリング』を使ってLL-45等級を取れる仕様を作り、そのきびし~い試験にパスしようと考えているんです。

ちなみにJISの試験を一回受けるだけで何十万円もしますので、今のところ大手メーカーしかこの試験は受けていないのが現状。私たちだって補助金がなければ絶対に無理でした。

たぶん、表面に杉を使い、なおかつ化学製品を使わない材料だけでできた遮音床でJIS試験受けようとした無謀な人は今までいないと思う・・・大手メーカーは無垢フローリングとか想定してないケースが多いですし、ゴムやらスポンジやら使って遮音取るのがてっとり早いですから・・・

杉の床を使ったマンションリノベーションを誰にでも手軽に楽しんでもらう。それが私たちの最終目標!・・・といえば聞こえはいいですが、前途多難、成功するのかどうかもいまだ未知数です。ゴールはあと少しのようにも思えるし、実はめちゃ遠いのかもしれない、というのが現在の心境。

 

丸岡さんの工場で材料をいろいろ加工しながら対策を練ります。いろんな機械があるので普通ではできない加工や切断がここではいとも簡単にできてしまいます。今日は下地の羽目板と杉フローリングにどう裏溝を取るか、という検討を色々試しました。

 

帰りがてら、私たち専用に作ってくれている杉幅広フローリングの原板を確認させてもらいました。色気のあるいい顔してます。材は吉野杉。このフローリング、今年の夏以降の現場から採用していますが、大工さんや現場監督の評判がすこぶるよいです。

もちろんお客さんに喜んでもらうために開発したんですが、プロに喜んでもらえるのが一番嬉しい(笑)

 

こうやって原板から確認できる材料を使えるって、めちゃくちゃ幸せで贅沢なことだなぁ、としみじみ思います。この板たちは誰の家のどの部屋の床になるのか、想像するだけでちょっと面白いです。

君たちが載るべき最適な遮音材はできるだろうか・・・とにかく頑張ります。